
武田ほたる /『愛読家、日々是好日〜慎ましく、天衣無縫に後宮を駆け抜けます〜』
第10回ネット小説大賞において『愛読家、日々是好日〜慎ましく、天衣無縫に後宮を駆け抜けます〜』で
受賞となった琴乃葉先生に独占インタビューを敢行!
前半では『受賞作の見どころ』、後半では『小説を書くときのコツ』などを伺いました!
ぜひ最後まで読んでみてください♪

後宮って、謎だらけ!? 読書好きお妃は、ちょっと不思議な医官見習いと英雄系皇子に振り回されて今日も事件を解決する!
何よりも本を愛する少女・明渓は、後宮には珍しい本がた くさんあるからという理由で、後宮入りを決意する。しか し、皇帝と夜を共にすることもないどころか、不思議な事 件にばかり巻き込まれる日々。読書で会得した持ち前の博 識を駆使して、事件を解決していく明渓だが、そんな彼女 の前に現れたのは、医官見習いの不思議な少年と国の英 雄である皇子……。「私、ただ本が読みたいだけなの に!」。後宮を舞台にした、小さなお妃・明渓の謎解きス トーリー、ここに開幕!
Amazon『愛読家、日々是好日〜慎ましく、天衣無縫に後宮を駆け抜けます〜』

――――受賞おめでとうございます! 今回は初めての書籍化ということですが、お気持ちを伺えますと嬉しいです!
ありがとうございます! 初めての書籍化で、長編の小説を書いたのもこの作品が初めてだったので嬉しかったです。
子どもに最初に報告したのですが、まだ漢字が多くて読むのはまだ難しいみたいで……(笑)。数年後に読んでくれるのを今から楽しみにしています!
――――あれ、本作は『小説家になろう』日間推理ランキングで一位を獲った人気作品だったような……?
そうですね、ほかの作品がランキングに入ったことがきっかけで、ありがたいことに本作もブックマークなどが伸びていきました。
ただ、ネット小説大賞に応募したときにはまだ伸びていなかったので、本作よりたくさん読まれている作品が沢山あるなかで、受賞させていただけたことが有難かったし、嬉しかったです……!
――――本好きの主人公・明渓(メイケイ)は、後宮で起こるトラブルを次々と解決していきます。本格派のミステリーだと感じましたが、トリックを文章で表現するのは難しくはなかったですか?
そうですね、トリックや謎解きの部分を、絵などを用いずに文字だけで説明するのが本当に難しかったです! ただ説明するだけじゃなくて情景描写や伏線も入れなければならなかったので、そういった部分の表現も大変で、何回も書き直しました。
――――ミステリーとなると、下調べも大変そうです……!
調べてそのまま使える情報もあれば、トリックとして誇張しなければならない情報もあったので、トリック周りの下調べは確かに大変でした!
例えばキノコの毒についてのエピソードが出てくるのですが、本来なら症状が出るのに数日かかるところ、物語の展開上、数時間で発症するなど誇張している部分もあります。嘘や架空の物を使いたくなかったので、何とか誇張の範囲で済むように頑張りました。
――――主人公の明渓(メイケイ)を取り巻いている、青周(セイシュウ)などの男性キャラクターも魅力的ですよね! キャラクターの人間性で、先生がこだわられているポイントはありますか?
キャラクターについては、二面性があるように書きたいと思っています。
主人公の明渓(メイケイ)は、本が好きで自分の世界を持っているけれども、他人を放っとけない人情味がある女の子。青周(セイシュウ)は、文武両道でみんなが憧れる青年だけど、繊細なところがあります。
それから、僑月(キョウゲツ)はちょっと浮世離れしたところのある少年ですが、人の命を助けるお医者さんとしてはちゃんとしているというように決めていましたね。
――――ミステリーを書くうえで、大切にされていることってありますか?
余計な情報が多くなると、ミステリーとしての伏線が分かりづらくなるので、余計な情報は削るようにしていました。例えば後宮には細かい身分のランクとかがあると思うのですが、そういう情報は省いていましたね。
――――いよいよ12月5日に発売が予定されている本作。『小説家になろう』と、書籍版の第1巻との違いを教えていただけると嬉しいです。
ある妃賓が落とした簪についての謎解きエピソードを新たに書き下ろしました。
それから、僑月と枇杷の葉を取りに行くエピソードも。こちらはもともと作っていたのですが、ブックマークが伸びないので話の展開を早くした方が良いかもと思い投稿しなかったエピソードで、本になるにあたり加筆修正したものです。今振り返ると、あった方がよいエピソードだったと思います。
他にも、キャラクターの人間性がより伝わるように表現が不充分だったと思う箇所を数千文字単位で書き直しました。
――――最後にファンの皆さんや、本作が気になっている方に向けてのメッセージがあればお願いします。
『小説家になろう』でずっと読んでいただいている読者の方には、本当に感謝しております。本作が気になっている方には、力を入れているのは謎解きの部分ですので、ぜひそこを楽しんでいただけると嬉しいです!
琴乃葉先生、受賞コメントをありがとうございました!
このあとの後編では『小説の書き方』を伺っていきます!

――――書籍化するため、なろうで人気連載にするために意識していることはありますか?
『小説家になろう』の人気の作品は読むようにしています! ほかのジャンルであっても「こういう展開が面白いんだな」というのを参考にしていますね。『小説家になろう』ってやはり独特の流行や世界観があるので勉強しています。
――――普段はどれくらいのペースで執筆されていますか?
1日2000~3000字です。仕事や子育てと両立しなければいけないので、電車のなかや家事の隙間時間など、時間を見つけて書いています!
――――プロットなどは、事前に作り込まれていたのでしょうか?
事件のトリック、伏線を事前にいくつか作り、それらを主人公が関わりやすいような話題に膨らませて、物語にあう順番に並べていきました。がっちり固めすぎると修正するのが難しくなるので、可動域のあるプロットにしています。
――――たしかに本作では、伏線がきれいに張り巡らされていると感じました……! 工夫されていることはありますか?
伏線と伏線を繋いでいくイメージで小説を書くようにしています! それから、半分くらい物語を書き進めたところで矛盾を洗い直していますね。
――――処女作でミステリーを書くというのは難しそうですが、このジャンルを選んだ背景などはありますか?
子供の頃からミステリーばかり読んでいたので、自然とミステリーを書こうと思っていました。子供の頃に集めていた小説も、意識はしていなかったのですがミステリーばかりで……。
――――トリックのネタなどは、どのように考えられているのでしょうか?
そうですね、今までの人生で触れたことがあって、頭の中に残っているものを調べなおしたりして作っていきます。「大麻の葉と似たものがあるって聞いたことがあるな」という、テレビなどで耳にした情報を記憶から引っ張り出してネタを作っていく、といったイメージです。
受賞作に出てくるアジサイの花のお話も、小学生のに時みていたテレビ番組で知った情報を何となく覚えていて、そのネタを使いました(笑)。日ごろからテレビを見ながらメモを取っておくこともあります。
――――『愛読家、日々是好日〜慎ましく、天衣無縫に後宮を駆け抜けます~』というタイトルをつけたときに、意識したことがあれば教えてください。
まず、主人公が読書が好きってことが伝わる言葉を探して『愛読家』という言葉を選びました。
それから中華ものだと分かるように舞台となる「後宮」という言葉は絶対入れたいと思っていました。
あとは、タイトルはニュアンスが反対になる言葉を入れておくといいというノウハウをネットで読んだことがあったで、「慎ましく」『駆け抜ける』という言葉も入れました。
――――そのほか、作家志望の方々や、次回のネット小説大賞応募者にアドバイスがあればいただけますと嬉しいです。
本作は『小説家になろう』でなかなか伸びず不安だった時期もあったのですが、こうして受賞することができました。これから挑戦する方にも、ぜひ自分が面白いと思ったものを書いていただけたら嬉しいです!
琴乃葉先生、この度はロングインタビューをありがとうございました!
12月5日に発売される『愛読家、日々是好日〜慎ましく、天衣無縫に後宮を駆け抜けます〜』。をぜひチェックしてくださいね!

©Clappers/comico ©悠井すみれ
第10回ネット小説大賞において『狼将軍の生贄の花嫁』で
受賞となった悠井すみれ先生に独占インタビューを敢行!
前半では『受賞作の見どころ』や『WEBTOONの魅力』、後半では『小説を書くときのコツ』などを伺いました!
ぜひ最後まで読んでみてください♪

私生児の生まれゆえに冷遇されて育ったエリーゼは、婚約者を亡くしたばかりの心痛の中、残虐な野心家と評判のヴォルフリート将軍と強引に結婚させられる。戦勝の褒美として不遜にも王女との結婚を望んだ将軍を牽制するための、生贄のような立場の花嫁だった。彼女の婚約者を戦場に散らせたのは、その将軍だというのに。
将軍にとっても彼女は押し付けられた妻ということになる。どんな仕打ちを受けるのかと震えるエリーゼに、けれどヴォルフリート将軍は穏やかに告げる。婚約者の復讐を望むなら叶えよう、と。噂される残虐な姿との乖離に驚いたエリーゼは、将軍の素顔を知りたいと思うようになる。

――――悠井すみれ先生、この度は受賞おめでとうございます! ネット小説大賞にはいつ頃からご参加いただいていたのでしょうか?
ありがとうございます! 小説家になろうでの活動は長くて、実はエリュシオンノベルコンテストっていう名前の頃から知っています。第2回~第3回あたりからタグをつけていましたね。
――――主人公であるエリーゼは、婚約者が戦死したことをきっかけに人々から恐れられている戦争の英雄『狼将軍』に嫁ぐことになりますね。物語の着想のきっかけは何だったのでしょうか?
恋愛感情だけでなく、お互いに支えあう理由があるヒーローとヒロインの関係性が好きだったことがきっかけです。
本作のヒーローはたくさんの人を死なせてしまい、ヒロインは婚約者の死を願ってしまったことにそれぞれ罪の意識を持っています。
罪の意識を解消できるのがお互いだけ……という関係性があるからこそ、ドラマティックな物語になるのかな、と。
――――WEBTOONの連載が始まりましたが、結果発表からかなり早いスタートですね!
そうですね、線画も思っていたよりずいぶんと早く届きました……!
WEBTOONは線画、着色など分業制になっているそうで、だからこそ通常の漫画よりもスピード感をもって制作できるのかな、と思いました。
漫画家さんとのやりとりは編集者さんを通してさせていただいてましたが、私のところで停滞しないように、お返事はできるだけ早くするように意識していましたね。
――――インタビューに先駆けて、原稿を見せていただいたのですが……WEBTOON映えする作品と言いますか、本当に素敵に仕上がっていますね! 先生は原稿をご覧になってみて、いかがでしたか?
WEBTOONだとオールカラーなので、戦争で炎の描写や、血の描写にもより臨場感がありました。「私はこういうシーンや、こういう人物を書いていたんだな」と改めて感動しました。
――――本当に、原作の世界観をそのままで、でも漫画として1シーン1シーンの迫力にすごく惹きつけられますね。
そうですね、その点はすごく嬉しかったです。また、原作は全体的にシリアスですが、コミカライズではところどころデフォルメされていて、癒しの要素などを入れていただいていました。そこもぜひ楽しんでいただけると嬉しいです!
――――最後に、作品が気になっている皆さんに向けてメッセージをお願いします!
虐げられていたか弱いヒロインが、誰かを愛することによって強くなる物語です。何も言えず何もできなかった彼女が、愛の力で成長していく過程を描いております。ぜひとも応援していただけますように!
悠井すみれ先生、受賞コメントをありがとうございました!
このあとの後編では『小説の書き方』を伺っていきます!

――――本作は『小説家になろう』の作品のなかでも地の文が多く、心理描写や情景描写が非常に丁寧な印象でした……!
ありがとうございます。三人称でありつつも、語り手の視点に近いところで物語を書いていますね。
映画を撮るときのカメラワークのようなイメージを意識していて……その場面を書くときに、どこに注目してほしいのか、どうカメラを動かしていくのかを意識しています。例えば、ヒロインのエリーゼが、目を伏せているから床の模様が目に映るといったことですね。
――――手探りで距離を近づけていくエリーゼとヴォルフを、大きな事件へと巻き込んでいく王子と王女。登場人物全員がキーパーソンのような、欠かせない人物という印象がありました。キャラクターを描くとき、大切にしていることはありますか?
キャラクターは、作品のコンセプトから逆算で決めています。
主人公に敵対する人、友達といった役割にあわせてキャラクターを作っていきつつ、ただ「悪い人」という設定だから悪い人として描くのではなく、その人にも考えがあってそう人になっているという背景を意識しています。
主人公目線の話を書いているときに物語が詰まってしまったときにも、「敵は何を考えているのかな」「味方は何を考えているのかな」ということを考えてみると、そこから物語に動きが出ることもありますね。
――――『小説家になろう』で掲載されている歴史ものなども本格的でしたね! 受賞作と作風がまったく違ったので驚きました。大変ではなかったですか?
言葉遣いなどについては、ライトノベルに偏らず一般文芸で読んだり、宝塚などのミュージカルなども好きなこともあって、いろんな言葉遣いに触れてきた蓄積が作品に活きていると思います。
――――最後に、作家志望の方々や、次回のネット小説大賞応募者にアドバイスがあればいただけますと嬉しいです。
今回の狼将軍は、出版社の公募では落ちてしまった作品でした。その講評では「ヒロインが消極的なので……」と言われてしまって。
それでも「面白いはずだ!」と信じて『小説家になろう』に掲載したからこそ、こうして受賞することができました。
これまで執筆してみて埋もれてしまった作品、落ちてしまった作品でも、タイミングや出版社次第で選ばれることもあると思うので、チャレンジしたり書き続けることを大切にしてほしいです。
悠井すみれ先生、この度はロングインタビューをありがとうございました!
12月2日に連載が開始される『狼将軍の生贄の花嫁』。連載をぜひチェックしてくださいね!

作家を目指している方のなかには、「もっと小説をうまく書きたい!」「プロの作家さんがどうしているのか知りたい」と思っている方も多いのではないでしょうか。
そこで、小説の書き方を知りたいという方必見! 日本最大級の小説コンテスト第10回ネット小説大賞で受賞した作家陣のみなさんに、『小説の書き方のノウハウ』をインタビューしました!


執筆を開始する前に、物語のあらすじや、舞台・キャラクター設定などを決めておく『プロット』。
『プロット』そのものは知っていても、「作る必要ってあるの?」と疑問を持たれている方も多いのではないでしょうか。
ネット小説大賞がインタビューをしてみたところ、書籍化作家さんであってもプロットを作成するかどうかは、作家さんによって異なるようでした。
ただし、プロットを作らない派の作家さんも、結末と通過点だけはザックリと事前に決めておく方が多い印象でした……!
それでは、実際に先生たちのコメントを見ていきましょう。
■月神サキ先生『お尋ねの元大聖女は私ですが、名乗り出るつもりはありません』
プロットを事前に作りこんでおくことで、執筆が詰まらないようにしています。序章、一章、二章……と章ごとに分けて話の展開をすべて書き出していくと、プロットが1万5000字くらいになります。
このとき、重要なセリフなども決めてプロットに入れておきます。プロットがあると1本線が通るから話のブレがなくなりますし、最終的に何万字になるかの目途も立てやすくなります。
■玉川玉子先生『婚約破棄23回の冷血貴公子は田舎のポンコツ令嬢にふりまわされる』
プロットはかなり作りこんでいますね。ネタ帳に思いつくままバーッと書いて、オチが決まり、全体の構成が見えてきたら、起承転結に分け、肉付けしていきます。
ヒーローやヒロインの気持ちの変遷も何段階かに分けて書いていて、この気持ちの変化に付随するエピソードはこれ、というかたちで決めていきます。
例えば【変わったやつだなあ】→【一緒にいると楽しいな】→【可愛いな】という感情の変遷があるとしたら、それぞれに具体的な出来事をリンクさせ、さらにモブ、小道具、笑えるセリフなどで味付けをして一つのシーンが完成する感じです。
■岡崎マサムネ先生『モブ同然の悪役令嬢は男装して攻略対象の座を狙う』
プロットは作成しませんが、書く前からゴールと通過点がある程度決まっています。その通過点を繋げながら、ゴールに向かって書き進めているイメージです。
■暮田呉子先生『お荷物令嬢は覚醒して王国の民を守りたい!』
プロットは作らず、浮かんできた映像を書きながら具現化していきます。ただ、大まかに結末は決めていて、それに向かって物語を進めていますね。
各章のタイトルも事前に決めておきます。あんまり細かく決めておくと、それで書いた気になってしまって満足してしまうので、あえてふんわりさせておくことで執筆するモチベーションを維持しています!
プロットを事前に作りこんでいる作家さんは「書き進めているときに詰まりにくい!」という意見で合致していたのが印象的でした。「書いても物語がなかなか先に進まない……」「物語を完結させられない……」と悩んでいる方は、プロット作りにチャレンジしてみても良いかもしれません。
詳細なプロットを書くのが難しいという方は、ひとまず物語の通過点と結末を決めてみるところから始めてみるのも良いでしょう。
もちろん「最初の想定と違う作品になったからこそ受賞につながった」という作家さんもいるので、正解はありません。ぜひ自分に合ったやリ方を見つけてみてくださいね!


主人公の年齢、容姿、性格、属性など、作家さんが事前にどこまで決めているのかは気になるところですよね。
作家の皆さんに伺ってみたところ、キャラクター設定の決め方やこだわりのポイントはバラバラでしたが、物語には描かないところまでしっかり作りこんでいる作家さんが多い印象でした!
設定を作っておくとキャラクターに深みが出たり、物語を広げやすくなるそうです。早速、みなさんのノウハウを伺っていきましょう。
■月神サキ先生『お尋ねの元大聖女は私ですが、名乗り出るつもりはありません』
私の場合だと、恋愛のヒーローとヒロインの二人の性格を決めたら、それぞれのバックグラウンドを書いていきます。例えば母性がある性格の女の子の場合は「甘えてくる男の子に弱い」とか「長女で世話が好き」とか。そういうバッググラウンドを詰めていきます。
■MIZUNA先生『やり込んだ乙女ゲームの悪役モブですが、断罪は嫌なので真っ当に生きます』
魔法を極めさせたい、政治的なことをやらせたい、商売をさせたいなど、物語が終わるまでに主人公にやらせたいことを決めて逆算しながら主人公の年齢を決めていきました。
登場人物の年齢や容姿、性格の設定などはパワーポイントに1キャラ1ページを使ってまとめていて、2022年10月時点では120ページを超えています。
また、物語の登場人物が少ないと狭い世界観で物語を動かさないといけません。多めに作っておいて、後で調整するという方法も良いかもしれません。
■玉川玉子先生『婚約破棄23回の冷血貴公子は田舎のポンコツ令嬢にふりまわされる』
主人公の名前にはこだわっています。舞台がなんちゃってヨーロッパのファンタジーにしている場合、「明らかにその名前はフランスにしかないだろ」みたいな名前にならないように気を付けています。
あと、王族に百姓っぽい名前をつけないように農作物に関連しそうな名前などは避けていますね。
語源がキャラクターに合っている名前が理想だと思うので、意識して選んでいます。例えば『婚約破棄23回の冷血貴公子は田舎のポンコツ令嬢にふりまわされる』のヒロインのオフィーリアは『助けになる』という意味で、本作でもみんなの救いになるようなキャラクターなんです。
キャラクターがなぜその性格になったのか、物語のなかでなぜ心情が変化していったのかなど、具体的なバックグラウンドやエピソードがあると、人物に深みが出そうですね。
ただ、設定を作りこみすぎると、物語内で設定を説明しすぎてしまって流れが悪くなってしまう……なんてケースもありますので注意してくださいね!


小説を書くとき、トレンドの要素を取り入れた方が良いのかは悩みどころですよね。実際に作家さんたちは意識されているのでしょうか?
■月神サキ先生『お尋ねの元大聖女は私ですが、名乗り出るつもりはありません』
得意なジャンルや、好きなジャンルを書いてみることをおすすめします。もしもデビューができて、その作品が売れて、運よく他の出版社様からお声が掛かった場合、一冊目と同じ系統のお話を依頼されます。ファンの方としても、「○○先生のこういう話がもっと読みたい!」という期待をしてくださると思うんです。私もそうなので……(笑)。
でも、それが自分にとっての苦手ジャンルで、本当は好きではないものだったとしたら書き続けるのは苦しいですよね。だからこそ、好きなものを書く、得意ジャンルを書くことをおすすめします……!
■MIZUNA先生『やり込んだ乙女ゲームの悪役モブですが、断罪は嫌なので真っ当に生きます』
小説を書くときには、すでに書籍化されている私が好きな作品を参考に執筆しました。書籍化されている作品=ニーズのある作品であり、出版社の目に留まりやすいかなと思ったからです。意図して狙ったわけではないですが、出版社のなかでも一番読んでいたのは受賞させていただいたTOブックス様の作品でした。
■編乃肌先生『世界で一番『可愛い』雨宮さん、二番目は俺。』
今の流行や、読者の方に受け入れてもらいやすいテーマは意識しています。ただ、「トレンドの作品を書こう!」と意識しすぎると上手く書けないので、自分の好きなものをトレンドにうまく結びつけるイメージで書いています。
トレンドを意識しているか尋ねたところ、「好きなものを書いています!」と即答される方が多かったです。
一冊分の書籍の文字量は、おおよそ10万字。もちろん2巻が出れば20万字……と増えていくので、長編を書けるくらい愛着をもてる作品を書く、ということが大前提なのかもしれません。
※ちなみに文字数関係なく応募できるネット小説大賞でも、短編で受賞した方の場合は後から書き下ろしなどを加筆いただいて出版となっていることが多い印象です。


小説を書くにあたって、作家さんがどれくらいのペースで書いているのか気になりますよね。
作家さんにインタビューをしていると、毎日1000字~3000字と決めて書いている方が最も多く、日によって分量が違う方、まったく書かない日を決めている方など様々でした。
■月神サキ先生『お尋ねの元大聖女は私ですが、名乗り出るつもりはありません』
1日1万字くらい書いています。それにプラスアルファで、コミカライズの確認などの仕事をしています。お休みは週1くらいで取れたら良い方かな……という感じですが、好きな仕事なので苦ではないですね! 外出する日は書かないと決めています。
■MIZUNA先生『やり込んだ乙女ゲームの悪役モブですが、断罪は嫌なので真っ当に生きます』
『小説家になろう』では毎日更新をしていて、1話あたり文字数1,500~2,500前後なるように執筆しています。ただ、調子が良い時や話の内容によっても文字数は変わります。少ないときは1,500文字。通常は2,500前後。多いときは7,000文字を超えたこともあります。
しかし、最近は文字数よりも、毎日1話以上を書き上げることを意識しています。
■暮田呉子先生『お荷物令嬢は覚醒して王国の民を守りたい!』
作品を書き始めた当初は、2000字~3000字を毎日書いていました。20万字を超えた今は継続力が大事だと思っていて、毎日1000文字くらいまでと事前に決めておくことで書くのが嫌にならないようにしています!
■森月真冬先生『異世界ラーメン屋台、エルフの食通は『ラメン』が食べたい』
週3~4回のペースで書いています。まずは5000字~7000字くらいザっと書いて、その内容を整理しながら3000字~4000字に削っていきます。


小説を書いていて、「物語が先に進まない……」ってことはよくありますよね。煮詰まってしまって、そのまま放置してしまう方も多いのではないでしょうか?
そんなときの対処法を、プロの先生方に伺ってみました。
■月神サキ先生『お尋ねの元大聖女は私ですが、名乗り出るつもりはありません』
詰まることはないですね。というのも、「詰まらない」とは「止まらない」ことだと考えています。
納得するまで書き直していたら絶対に書き終わらないので、止まることはせず、とにかく最後まで書く。書き終わったあと、改稿のタイミングで見直してみたらそこまでひどくないということもよくあったりするので。
とにかく書き進めることを大事にしていただけたら良いのではないかと思います……!
■MIZUNA先生『やり込んだ乙女ゲームの悪役モブですが、断罪は嫌なので真っ当に生きます』
「悩む暇があったら書け! 書いて、書いて、書いて、書いて、書き続ける! それしかない!」という感じで書き進めていきます。私の場合は、悩んでいてもあまり良い発想は生まれず、書いていたら色んな発想が生まれてきます。執筆に悩んでいてもPCに向かい、Wordを開いて物語を書くようにしています。
■暮田呉子先生『お荷物令嬢は覚醒して王国の民を守りたい!』
執筆に詰まったら外に出て散歩をしたり、気分転換も兼ねてカフェなどのガヤガヤしたところで書いてみると、はかどることもありますね。
詰まるときには物語に矛盾があったり、書くことに夢中になってしまって物語が面白くなくなっている時だと思っています。だからこそ、煮詰まった時には物語を読み返すようにしていますね。
それから私の場合は、最終章だけ先に書いておきます。結局のところ7割くらいは書き直しになるんですが、先に結末さえ書いておけば「これがあればいつでも完結できる!」という一つの保険になるので、肩の力を抜いて書けます(笑)。
■玉川玉子先生『婚約破棄23回の冷血貴公子は田舎のポンコツ令嬢にふりまわされる』
プロットを作り込んでいるので、詰まるとしたらけっこう細かいところになりますね。例えば出かけるというイベントは決まっていて、「馬に乗りに行くのか」「買い物に行くのか」といったようなところで詰まることはありますが、結果は決まっているのでそんなに長いこと詰まることはないですね。
■森月真冬先生『異世界ラーメン屋台、エルフの食通は『ラメン』が食べたい』
詰まったときには一度、お酒を飲んだりマンガを読んだりして、意識的に忘れるようにします。そうしていたら、翌日になってふっと解決策が浮かんできたりすることが多いですね。
どの作家さんにも共通していたのは、「継続力が大切」だということですね。また、納得いくまで修正していると先に進めなくなってしまうので、いったん先に進んでみるのも手段の一つ。
「書きたいシーンをあらかじめ用意しておいて、それを書くことをモチベーションにする」「小説家になろうなどの小説投稿サイトを活用して、他人に読んでもらうことでモチベーションをあげる」など、書き続けるための工夫を凝らしてみましょう。

魅力的は文章の書き方について、困っている方も多いのではないでしょうか。文章の書き方のコツとして、心掛けていることを作家さんに教えてもらいました。
【心理描写】暮田呉子先生『お荷物令嬢は覚醒して王国の民を守りたい!』
心理描写では「共感できる要素」をあえて取り入れるようにしています。例えば、好きだからこそ相手の望んでいる通りに動いてしまったり、家族に迷惑を掛けると申し訳ないなと思う気持ちなど、誰にでも経験があるような感情をあえて書くように心がけています。
【タイトルとあらすじ】編乃肌先生『世界で一番『可愛い』雨宮さん、二番目は俺。』
書き始める前は、タイトルとあらすじを考えることに時間を掛けています。タイトルとあらすじは作品を読むときの入口だと思うので、山ほど作品があるなかで書籍化まで目指すとなると、読者が入口で転ばないように惹きこむものを用意したいと思っています。
【シーンの書き方】森月真冬先生『異世界ラーメン屋台、エルフの食通は『ラメン』が食べたい』
1つのシーンに登場人物が5人以上いると、読者が状況を把握することが難しくなると思うので、その点は気を付けています。それから改行が少ないと読みづらいので、一応、3行くらいを改行の目安にしていますね。
いろんな作家さんのノウハウをご紹介させていただきました! 先生方、本当にありがとうございました!

ご協力いただいた先生(取材実施順)

取材記事にはもっと細かいノウハウも! ぜひ読んでみてください!
月神サキ先生『お尋ねの元大聖女は私ですが、名乗り出るつもりはありません』 取材記事 / Twitter
編乃肌先生『世界で一番『可愛い』雨宮さん、二番目は俺。』 取材記事 / Twitter
森月真冬先生『異世界ラーメン屋台、エルフの食通は『ラメン』が食べたい』 取材記事 / Twitter
岡崎マサムネ先生『モブ同然の悪役令嬢は男装して攻略対象の座を狙う』 取材記事 / Twitter
MIZUNA先生『やり込んだ乙女ゲームの悪役モブですが、断罪は嫌なので真っ当に生きます』 取材記事 / Twitter
玉川玉子先生『婚約破棄23回の冷血貴公子は田舎のポンコツ令嬢にふりまわされる』 取材記事 / Twitter
暮田呉子先生『お荷物令嬢は覚醒して王国の民を守りたい!』 取材記事 / Twitter
当麻月菜先生『恋する王子は不遇令嬢を所望する 竜の魔法が導く溺愛ルート』 取材記事 / Twitter


ネット小説大賞から2022年12月に発売される作品を、発売日順に8冊ご紹介します!
2022年12月5日発売!(第1巻)
受賞…第10回ネット小説大賞
出版社…一二三書房
作品名…愛読家、日々是好日~慎ましく、天衣無縫に後宮を駆け抜けます~ (小説家になろうの作品ページ)
著者…琴乃葉 (小説家になろう著者ページ)
イラスト…武田ほたる (Twitter)
後宮って、謎だらけ!? 読書好きお妃は、ちょっと不思議な医官見習いと英雄系皇子に振り回されて今日も事件を解決する!
何よりも本を愛する少女・明渓は、後宮には珍しい本がた くさんあるからという理由で、後宮入りを決意する。しか し、皇帝と夜を共にすることもないどころか、不思議な事 件にばかり巻き込まれる日々。読書で会得した持ち前の博 識を駆使して、事件を解決していく明渓だが、そんな彼女 の前に現れたのは、医官見習いの不思議な少年と国の英 雄である皇子……。「私、ただ本が読みたいだけなの に!」。後宮を舞台にした、小さなお妃・明渓の謎解きス トーリー、ここに開幕!
2022年12月9日発売!(第1巻)
受賞…第10回ネット小説大賞
出版社…双葉社 (2022/12/9)
作品名…ヴェールの聖女 (小説家になろうの作品ページ)
書籍版…ヴェールの聖女 ~醜いと誤解された聖女、イケメン護衛騎士に溺愛される~
著者…山田露子 (小説家になろう著者ページ)
イラスト…鳥飼やすゆき(Twitter)
第10回ネット小説大賞小説賞受賞作品!
異世界に転生した大学生の祐奈は、聖女に祭り上げられた上、命がけの旅に出る羽目に!?
しかも顔を隠すようにと渡されたヴェールが誤解を招き、祐奈は醜い聖女の烙印を押されてしまう。
旅の護衛をするラング准将だけには心を許せそうだけれど……。祐奈の波乱の旅がここに始まる!
2022年12月09日発売!(第1巻)
受賞…第10回ネット小説大賞
出版社…マッグガーデン
作品名…異世界に来たけど、生活魔法しか使えません(小説家になろうの作品ページ)
著者…梨香 (小説家になろう著者ページ/Twitter)
イラスト…HIROKAZU(Twitter)
転生先は貧乏貴族!?
可愛い弟たちのため、才能を生かして学園生活を送ります!日本でOLをしていた青山薫は、ある日目覚めるとグレンジャー子爵家の長女ペイシェンスに転生していた。
貧乏な生活に不便な思いをするペイシェンスだったが、授かった生活魔法を活かして徐々に環境を改善していく。
10歳になったペイシェンスは、王立学園の寮に入るため可愛い弟たちとお別れに……。
しかし、そこでも生活魔法や前世の知識を生かして成り上がってゆく――!
教師からも才能を褒められ順調に進んでいく学園生活だったが、あるとき王妃から厄介な手紙が届き……。
可愛い弟たちの健やかな成長と、家の復興のゆくえ、そして同じクラスの意地悪王子との関係や如何に!?
2022年12月09日発売!(第13巻)
受賞…第7回ネット小説大賞
出版社…ツギクル
作品名…もふもふを知らなかったら人生の半分は無駄にしていた(小説家になろうの作品ページ)
著者…ひつじのはね (小説家になろう著者ページ/Twitter)
イラスト…戸部淑(Twitter)
「希望の星」、ダンジョンに初挑戦!
もふもふだらけの異世界ファンタジー、第十三弾!
大ボリュームの書き下ろしを収録
コミカライズもMFCにて好評発売中!
王都での生活にも慣れてきたころ、ユータたちのパーティ「希望の星」は、初級ダンジョンに挑むことに!
大きなトラブルもなく順調に階層を進んでいくと、そこにはビックリするような出会いがあり――
新たな出会いにわくわく! ユータのもふもふ異世界ファンタジー、第十二弾!
2022年11月10日発売!(第2巻)
受賞…第10回ネット小説大賞
出版社…TOブックス
作品名…モブ同然の悪役令嬢に転生したので男装して主人公に攻略されることにしました(小説家になろうの作品ページ)
著者…岡崎マサムネ(小説家になろう著者ページ/Twitter)
イラスト…早瀬ジュン (Twitter)
「このイケメン、誰なんだろ。隠しキャラ?」
桜舞い散る中庭に、百年に一度の美少女の声が響き渡る。なんということだ。まさかヒロインが──無自覚に独り言の大きいお仲間だったとは。非常にやりづらいが、私は麗しの男装軟派騎士。性別も不思議とバレていないことだし、至上のモテテクを駆使すれば造作なくオトせるはず……おい元婚約者、お茶会デートに乱入するな。義弟よ、ピクニックに同伴するな。あの子に攻略されて、幸せな未来を掴むのはこの私だ!「君(ヒロイン)だけを待っていたよ、マイ・プリンセス?」
罪作りな史上最モテ男装令嬢がついにヒロインを逆攻略!?
ノーブル&ファビュラスな学園ラブ・コメディー第二弾!
2022年12月15日発売!(第10巻)
受賞…第6回ネット小説大賞
出版社…双葉社
作品名…道後温泉 湯築屋 (10)神様のお宿で永遠の愛を囁きます(小説家になろうの作品ページ)
著者…田井ノエル (小説家になろう著者ページ / Twitter)
イラスト…紅木春 (Twitter)
「道後温泉」の一角に佇む温泉宿「湯築屋」は神様だけが門を潜れる不思議なお宿。若女将の湯築九十九は仕事に青春に大忙し。宿のオーナー兼夫の稲荷神シロとも徐々に絆を深め結婚生活も順調(?)だった。そんなある日、かつてシロが神使として仕えていた宇迦之御魂神が湯築屋を訪れる。ついにシロと、表裏の存在である天之御中主を対話させるために「儀式」を行うというのだ。そして九十九は、シロと湯築屋の未来を決定づける大きな選択を迫られ……。ほっこり心温まる人気シリーズついに完結!
2022年12月20日発売!(第4巻)
受賞…第9回ネット小説大賞
出版社…マイクロマガジン社
作品名…霜月さんはモブが好き(小説家になろうの作品ページ)
著者…八神鏡(小説家になろう著者ページ / Twitter)
イラスト…Roha (Twitter)
「あなただけが特別なの」 恋するヒロインが少年の運命を変える――。
「――わたしと、付き合ってください」
3学期を迎えたクラスに季節外れの転校生がやってきた。
ピンク色のツインテールに不機嫌そうな表情をした少女の名は、胡桃沢くるり。
その正体はなんと、幸太郎の「男だと思って仲良くしていた幼なじみ」だった!
幸太郎としほの「曖昧な関係」を訝しみキツめな態度を取るくるりだったが、なぜかしほの人見知りは発動しなくて――?
2022年12月28日発売!(第4巻)
受賞…第7回ネット小説大賞
出版社…双葉社
作品名…最強陰陽師の異世界転生記 ~下僕の妖怪どもに比べてモンスターが弱すぎるんだが~(小説家になろうの作品ページ)
著者…小鈴危一 (小説家になろう著者ページ/Twitter)
イラスト…夕薙(Twitter)
聖皇女フィオナの支援を受け、周りをダンジョンに囲まれた冒険者の街・自由都市ラカナへとたどり着いたセイカとアミュ。直後、二人を追いかけてきたイーファ、メイベルと合流し、冒険者として生活していくことに。順調にダンジョンを攻略していく一行だったが、ある出来事を機にダンジョンに異変が起こり――。大人気異世界ファンタジー、新章開幕! 書き下ろし収録!

キコリの異世界譚/イラスト 藤本キシノ
第10回ネット小説大賞において『キコリの異世界譚』で
受賞となった天野ハザマ先生に独占インタビューを敢行!
前半では『受賞作の見どころ』を、後半では『小説を書くときのコツ』などを伺いました!
ぜひ最後まで読んでみてください♪

努力と根性と斧1本で成り上がれ! 異世界転生した少年の最強ファンタジー!
剣と魔法の世界に転生しても、何もなかった。
持っているのは自分が転生者であるという疎外感だけ。
逃げるようにやってきたのは防衛都市ニールゲン。
頼れる財産は斧1本。名乗った名前はキコリ。
何にもないキコリは、それでも命を賭け金にして生きていく。
Amazon『キコリの異世界譚』

――――――――この度は受賞おめでとうございます! すでにたくさんの書籍を出版されている天野先生は、第7回でもネット小説大賞を受賞されていますよね! 第10回ネット小説大賞にご応募されたきっかけを教えてください。
2014年頃……たぶんその頃からだったと思うんですが。小説家になろうに投稿していまして、ネット小説大賞さまの存在は知っておりました。
「これなら戦える」って納得できるものができたら応募しようと思っておりまして、今回はこのような形となりまして本当に有難いです。
――――入賞のお話を聞いた時、どのようなお気持ちでしたか?
慌てましたよね。「え、ほんと⁉」って。コンテストってアイラブユーを投げかけるようなものですから、キュンとしました。
――――わ、その表現すごく素敵です! 受賞作『キコリの異世界譚』の主人公・キコリは、異世界の記憶があることから悪魔憑きと疎まれてしまったことがきっかけで子供ながらに冒険者になります。
大人びている反面とても素直で、冒険者として努力を続けていくキコリは、読者愛される主人公だと思います…! 先生にとって、主人公のキコリはどんなキャラクターでしょうか?
ありがとうございます! そうですね……一言で言うのであれば「生きるのが下手な子」です。
もっと「こうすれば楽に生きられるのに」みたいな道はたくさんあるのに、選べないんです。生きるのがとことん下手で、だからこそ全力で生きています。
そんなキコリをたくさんの方に愛して頂けたらな、と思います!
―――本作ではキコリが武器を強くしたり、魔法を覚えたりと、少しずつ成長する過程が丁寧に描かれていますね。いわゆる「主人公無双」の作品にしなかった理由を伺いたいです…!
ええ、分かってるんです。主人公無双の方がストレスフリーだっていうのは……! けれど、「キコリ」の場合は強くなる理由に多くの人が納得するものを持たせたかったんです。
こう言うと本作の内容を誤解されそうですが、血反吐を吐きそうな過程の果てに強くならざるを得なかった……っていうのは、物凄くキュンとしませんか?
―――――そういう背負っているものがある主人公、良いですよね! 強くならざるを得ないキコリくんのひたむきさには、読者も登場人物も心を動かされてしまいます。本作の着想のきっかけは、なんだったのでしょうか?
今時の主人公らしい華麗で綺麗でスタイリッシュな要素とは程遠い主人公を書きたかったんです。
――――いよいよ第1巻が11月15日に発売予定です。天野先生から、書籍版の第1巻の魅力を教えてください!
受賞コメントをありがとうございました!
このあとの後編では、天野ハザマ先生に、『小説の書き方』をテーマにインタビューしてみましたのでぜひご覧ください!

――――小説はどんなツールで書かれていますか?
基本的にはワードを使っています。慣れたツールだからというのもあるんですが、この辺りは本当に人によるんですよね。自分の使い慣れたものが最強です。
――――集中するための環境づくりなどで、オススメがあれば教えてください。
集中するための環境づくり……ですが、大事なのは無理しないことです。書けない時に書こうとしたって絶対書けないんです。それでも「あえて」というなら、お気に入りのタンブラーを見つけることをお勧めします。何も考えずにゴクリといけるやつがあると、集中を切らさずに書けますよ!
――――天野先生は人気連載中の『金貨1枚で変わる冒険者生活』など、これまでファンタジーを中心にたくさんの作品を書籍化されていますよね!
書籍化するため、なろうで人気連載にするために意識していることはありますか?
自分が愛せるもの、自分が面白いと思えるものを書こうと常に思っています。
それが正解かどうかは私にも分かりませんが、少なくともそれで5年以上はやれてます。
――――天野先生が仰られると説得力があります…! 執筆に詰まったことはありますか? また、もし執筆の工程で苦手なことがございましたら、教えて下さい。
詰まることのない作家なんていないと思っています。苦手……はあまり意識したことは無いのですが、あ、いや。ありました! 描写を「削る」のが苦手ですね。書きすぎるとダメだというのは分かっているので、最近では「本筋に関係ない部分はズバー!」を心掛けています。
――――設定を作る際の資料集めなど、どうされていますか?
写真集などは結構重宝しています。世の中にはファンタジーな景色が思った以上に多いですから……! あとは取材旅行にも行きます。そこからの作品への落とし込みはすごく楽しい作業です!
――――執筆前に、プロットを作成されていますか?
本当に簡単なものになりますが「主人公と周囲の人々の設定」「国と大陸などの設定」「どのような道筋を辿っていくのか」「武器、魔法、文化など」といった項目で作っていきます。プロットに縛られすぎると自縄自縛になるので、本当に間違えてはいけないものだけにしていますね。
――――キャラクター設定について、どれくらいまで細かく決められているのか教えてください。
キャラクター設定は「どんな人物か」だけを最初に設定します。自分が好きになれるキャラクターになるように気をつけてはいます。
――――舞台設定はいかがでしょうか?
舞台設定は……結構過剰に設定しがちですね。主人公がいる大陸と国、通貨に宗教、国同士の関係に人種。あとはギルドや商店、流通などの仕組み。ハッキリ言ってしまえば使うものなんて1割にも満たないんですが、設定しておくと後から必要なキャラがスルリと出てきたりするんです……!
――――物語に出てこないところまで、丁寧に決められているんですね! 話の構成は、事前にある程度決められていますか?
話の構成はプロット段階では簡単に決まっているんですが、ぶっちゃけ毎回大きくズレます。「こっちの方が面白い!」っていうのに流れちゃうんですよね。
――――文章を書かれるときに、意識していること、注意していることはありますか?
読んでいて面白いか、常に自答するようにはしています。私は他の方々と比べると強烈な個性というものに欠けている方なので、クオリティを磨いて武器にしなければならないのです……。
――――ええ、作品からすごい個性を感じますが……! でも自分が面白いと思う作品を書くというのは、大事ですよね。そのほか、作家志望の方々や、次回のネット小説大賞応募者にアドバイスがあればいただけますと嬉しいです!
流行り廃りに文章の作法、その他諸々。いろんなものを学んでおられると思いますが、全部忘れてください。本人が面白いと思える作品こそが最強です。
世の中には私では真似できないような凄いアイデアと技法で作家になった「オンリーワン」を持つ人がたくさんいます。もし「そんなものはない」ということであれば、私のご同類です。情報をたくさん取り入れていくのが武器になります! ……なんですけど。楽しむことを忘れないでほしいです。
天野ハザマ先生、この度はロングインタビューをありがとうございました!
11月15日に刊行される『キコリの異世界譚』。発売を心より楽しみにしております!

追放された公爵令嬢ですが、天気予報スキルのおかげでイケメンに拾われました/イラスト 祀花よう子
第10回ネット小説大賞において『追放された公爵令嬢ですが、天気予報スキルのおかげでイケメンに拾われました』で
受賞となった青空あかな先生に独占インタビューを敢行!
前半では『受賞作の見どころ』を、後半では『小説を書くときのコツ』などを伺いました!
ぜひ最後まで読んでみてください♪
理不尽に捨てられた公爵令嬢の愛され生活!
公爵令嬢のウェーザは、未来の天気を100%言い当てることが出来る特殊スキルを持っており、長らく『王宮天気予報士』として仕えていた。
しかしある日、婚約者の第一王子から突然の婚約破棄、国外追放宣言をされ、辺境の地へ追いやられてしまう。頼る人もおらず路頭に迷っていたところ、黒髪の青年ラフに拾われる。
「…お前、明日の天気がわかるのか?」――優しい農業ギルドの天気予報士として、ウェーザは幸せな人生を歩み出す!

――――この度は第10回ネット小説大賞での受賞、おめでとうございます! 受賞を知った時のお気持ちを教えてください。
ネット小説大賞さんは二年ほど前、執筆をしたときから知っていました。
憧れていたコンテストだったこともあり、いつか挑戦したいなと思っていたので、受賞を知った時には驚きましたがとても嬉しい気持ちでした。
――――受賞作『追放された公爵令嬢ですが、天気予報スキルのおかげでイケメンに拾われました』は、『天気』と『農業』をテーマにした作品ですね。これらをテーマにしようと思ったきっかけを教えてください。
ニュースの天気予報を見ているときに、『天気』をテーマにすると面白いかもと思ったことがきっかけです。『天気』と深くかかわりがあることは何だろうと思ったときに、『農業』が良いなと思い、この2つがテーマになりました。
――――不愛想だったヒーローが、次第にデレを見せてくれる様子に思わずニヤリとしていまいます…! 主役の二人は先生にとって、どんなキャラクターでしょうか?
お似合いなのはもちろん、お互いをよく理解しあっている二人だと思っています。
ヒロインは真面目で頑張り屋さんで、ヒーローは無骨で近寄りがたい雰囲気がありますが、心がすごく優しいキャラクターです。
――――農業ギルドのメンバー達をはじめ、キャラクターが本当に個性豊かで賑やかに物語が進みますね! キャラクターの個性などはどのように決められていったのでしょうか?
キャラクターの個性は執筆前の段階から決めていました。まずヒロインとヒーローの二人から決めていき、他のキャラクターは二人にはない個性になるようにしました。
――――全体のバランスを見て、キャラクターの個性を決めているのですね!
そうですね。例えば、第一王子が、ヒロインを追放する自分勝手なキャラクターなので、第二王子は彼と対比になるように真面目で国のことを大事に思っているキャラクターにしました。
――――第1巻では、そんな魅力的なキャラクター達が生き生きと描かれていますね。ぜひ第1巻の見どころを教えてください!
――――最後に、ファンの皆様や作品が気になっている方々に一言いただけると嬉しいです!
Mノベルスfさまから11月10日に発売します! 不愛想なヒーローがヒロインにやさしくなっていく過程はもちろんのこと、農業ギルドのメンバーとの楽しいやり取りをお楽しみいただけたら嬉しいです。
どうぞよろしくお願いいたします!

――――小説はどんなツールで書かれていますか?また、小説を書くときに便利なもの、集中するための環境づくりなどで、オススメがあれば教えてください。
執筆パソコンで行っていて、WordとNolaというアプリを使っています。
Nolaはプロットを作るときに使っています。プロットを作っていくとき、エピソードの順番を入れ替えることが簡単にできるので本当に便利です。
また、Nolaは執筆の文字数を自動的にカウントしてくれるので、今どれくらい書いたかも分かり易くて助かっています。ちなみに長編を書くときは、いつも10万文字を目標にして書いています。
――――私もNolaのアプリを覗いたことがあるのですが、UIが凄く分かりやすくて使いやすそうですよね! 執筆環境はどのような感じでしょうか?
普段は自室で作業しています。なかなか集中できない時には、イヤフォンして小さめのボリュームで、雨が降る音や環境音とかをBGMにして書くと集中できます。
――――書籍化するため、なろうで人気連載にするために意識していることはありますか?
毎日更新できるように、書き溜めてから連載を始めるようにしています。更新の感覚が空いてしまうと、その分だけ読者さんが離れて行ってしまうので……。
私自身も、『小説家になろう』に投稿を始めたとき、色んな作家さんのアドバイスなどを見ていました。そのとき、毎日更新をすることや、書き溜めておくことの重要性を知って、私も実践するようにしました。
――――事前に勉強されたことを、着実に実行されてきたんですね。実際にやってみて、効果はあったと感じましたか?
実際に執筆活動を続けていく中で、具体的なアドバイスを心に留めておくことは大事だったな、というのは実感しています。そうすることで、作家になるまでの道すじがより具体的になるような気がしたんです。
創作の分野にぼんやりとした憧れがあったんですけど、最初は何をすればよいのか分からなくて。だけど1冊の書籍を出すのにまずは10万字を書くとか、『小説家になろう』でよく読まれているファンタジーから書いてみましょうとか、そういうアドバイスが自分の道しるべになってくれたと思います。
――――なるほど、そうしたアドバイスが小説家になるまでの道しるべになる、という考えはすごく納得です……! 先生の場合は、2年間それを続けてきてデビューに繋がったんですね。
そうですね。「自分の作品を本にしたい」という気持ちで執筆を始めて、1年間は結果を気にせずにまずは頑張ってみようと思っていました。
1年頑張ってみて、結果が芳しくないとなったらやり方を見直そうと思っていたら、執筆していくうちに小説を書くのが楽しくなっていきました。
――――執筆に詰まることはありますか?
詰まることは多々あるんですけど、歩むのが遅くなっても歩むことをやめないことが大事だと思います。
10万字と言っても1文字の積み重ねなので、10文字20文字でも先に進めていくことを意識していました。
――――執筆前に、プロットを作成されていますか?
1話につき1プロットを作っています。本作だと『小説家になろう』に約40話掲載しているので、40個くらいプロットを書いていますね。
このプロットを組む工程に一番時間が掛かってしまいます。ただ、詳しく書きすぎるとなかなか本文を書くところまで進めなくなってしまうので、箇条書きで3つ~4つほど書いておいて、それ以上は書かないようにしています。
具体的には、1つの箇条書きにつき「ある日突然、婚約破棄される」くらいの内容になります。
――――40話分のプロットを、最初に1話分ずつ分けて作るって、かなり丁寧に作成されていますね!そうなると、予定通りにいかないこともあったりしますか?
そうですね、予定通りに進まずに展開がズレていくケースはあります。出そうと思っていたキャラクターを出さなかったりとか……(笑)。
そういったときには、プロットに無理やり合わせるのではなく、本文の流れに合わせてプロットを見直して、調整しています。
――――キャラクター設定は、事前にどれくらい決めているのでしょうか?
キャラクター設定では、名前・性格・外見・スキルを最初に考えています。でも、事前に決めるのは箇条書きで3~5行くらいと決めていますね。
というのも、本文を書いているときにキャラクターの性格だとか特徴が決まっていくことが多いので、最初は簡単に決めちゃって細かいところは書きながら詰めていくことが多いんです。
――――青空先生の作品って、読んでいても誰が話しているかがすぐに分かって読みやすいですよね。特に本作に登場する、活発な女性キャラクターのアグリカルは凄く覚えやすかったです!
ありがとうございます。キャラクターの口調が決まっていると、登場人物が何人いても区別が付けやすいですね。あとは一人称も、女性だと「私」と「アタシ」、男性だと「僕」と「俺」などで区別しています。
例えばアグリガルは男っぽい口調なので、話すときには一人称を付けて女性だと分かるように工夫していました。
――――なるほど……! 読者にとっては無意識に読み進めている部分でも、先生の工夫や配慮によって読みやすくしていただけていたんですね。文章を書かれるときに、ほかに意識していることはありますか?
文章は、基本的に「一文一義」になるようにしています。これは「1つの文章に1つの意味しか持たせない」という意味の言葉ですね。読者さんがすぐに理解できる言葉を選ぶようにしていたり、長い文章は2つの文章に分けたりすることを大切にしています。
連載していくなかで、内容が難しくなると読まれなくなってしまうと思うので、読みやすさはかなり意識していますね。
―――――タイトルをつけるときに、意識していることがあれば教えてください。
主人公に何があって、最終的にどうなるのかが分かるようにしています。『小説家になろう』だと100文字までタイトルを書けるので、めいいっぱい使っている作品もありますね。
たくさんの小説があるなか、どれだけタイトルで読者さんの興味を引けるかはやっぱり大事だと思います。
――――わあ! 過去作を見ると、本当に100文字ぴったりがありますね……! そのほか、作家志望の方々や、次回のネット小説大賞応募者にアドバイスがあればいただけますと嬉しいです。
私などがアドバイスをするのは恐縮でございますが、特に魅力的なキャラクターを書くことが大切なのかなと思います。キャラの魅力はそのまま作品の魅力になるので、ぜひ読んでいて楽しくなるようなキャラたちを考えてみていただけたらと思います。
青空あかな先生、この度はロングインタビューをありがとうございました!
11月10日に刊行される『追放された公爵令嬢ですが、天気予報スキルのおかげでイケメンに拾われました』。発売を心より楽しみにしております!

ネット小説大賞から2022年11月に発売される作品を、発売日順に8冊ご紹介します!
2022年11月5日発売!
受賞…第9回ネット小説大賞
出版社…宝島社
作品名…鷹は瑞穂の空を飛ぶ(小説家になろうの作品ページ)
書籍版…令和の化学者・鷹司耀子の帝都転生 ~プラスチック素材で日本を救う~
著者…雨堤俊次/うていとしつぐ (小説家になろう著者ページ/Twitter)
イラスト…野上武志(Twitter)
明治34年、鷹司家に生まれた公爵令嬢・耀子は、わずか4歳にして、合成繊維である「66ナイロン」を作り出すことに成功する。この幼い子供――鷹司耀子は、120年以上も未来の令和を生きる高分子化学者が時代を遡って転生した姿だった――。明治時代に転生した“プラスチックの専門家”が、現代知識を使って日本を化学立国に変えていく「ものづくり浪漫譚」です。
2022年11月10日発売!
受賞…第10回ネット小説大賞
出版社…ツギクル
作品名…婚約破棄23回の冷血貴公子は田舎のポンコツ令嬢にふりまわされる(小説家になろうの作品ページ)
著者…玉川玉子(小説家になろう著者ページ/Twitter)
イラスト…みつなり都(Twitter)
侯爵家の一人息子アドニスは、顔よし、頭よし、家柄よしのキラキラ貴公子。
ただ、性格の悪さゆえに23回も婚約を破棄されていた。
もうこれ以上婚約破棄されないようにと、24番目のお相手はあえて貧しい田舎貴族の令嬢が選ばれた。
やってきた令嬢オフィーリアは想像を上回るポンコツさで、数々の失敗を繰り返しつつも皆にとってかけがえのない存在になっていく。
頑ななアドニスの心にもいつの間にか住み着いて……。
ダメっ子令嬢の頑張りが冷血侯爵の息子の心を掴んでいくハッピーエンドロマンス!
2022年11月10日発売!
受賞…第10回ネット小説大賞
出版社…ツギクル
作品名…お荷物令嬢は覚醒して王国の民を守りたい!(小説家になろうの作品ページ)
著者…暮田呉子(小説家になろう著者ページ/Twitter)
イラスト…woonak(Twitter)
優れた婚約者の隣にいるのは平凡な自分──。
ヘルミーナは社交界で、一族の英雄と称された婚約者の「お荷物」として扱われてきた。
婚約者に庇ってもらったことは一度もない。
それどころか、彼は周囲から同情されることに酔いしれ、ヘルミーナには従順であることを求めた。
そんなある日、パーティーに参加すると秘められた才能が開花して……。
逆境を乗り越えて人生をやりなおすハッピーエンドファンタジー、開幕!
2022年11月10日発売!
受賞…第10回ネット小説大賞
出版社…双葉社
作品名…追放された公爵令嬢ですが、天気予報スキルのおかげでイケメンに拾われました(小説家になろうの作品ページ)
著者…青空あかな(小説家になろう著者ページ)
イラスト…祀花よう子 (Twitter)
公爵令嬢のウェーザは、未来の天気を100%言い当てることが出来る特殊スキルを持っており、長らく『王宮天気予報士』として仕えていた。
しかしある日、婚約者の第一王子から突然の婚約破棄、国外追放宣言をされ、辺境の地へ追いやられてしまう。頼る人もおらず路頭に迷っていたところ、黒髪の青年ラフに拾われる。
「…お前、明日の天気がわかるのか?」――優しい農業ギルドの天気予報士として、ウェーザは幸せな人生を歩み出す!

2022年11月15日発売!
受賞…第10回ネット小説大賞
出版社…一二三書房
作品名…キコリの異世界譚〜転生した少年は、斧1本で成り上がる〜(小説家になろうの作品ページ)
著者…天野ハザマ(小説家になろう著者ページ / Twitter)
イラスト…藤本キシノ (Twitter)
少年キコリには《転生者》の自覚があった。地球の日本という地で生きた過去の記憶に目覚め、そこから全ての歯車がズレた。故郷では悪魔憑きと疎まれ、失望を胸に薪割りに使っていた斧だけを携えてたどり着いたのは、防衛都市ニールゲン。数多の冒険者がモンスターの脅威から人を守るために闘う最前線の地だ。経験も軍資金もわずかなキコリは、新たに縁を結んだ愛すべき仲間たちの力を借り、《努力》と《根性》で最強(物理)の冒険者を目指すが!?

2022年11月15日発売!(第2巻)
受賞…第9回ネット小説大賞
出版社…一二三書房
作品名…捨てられ騎士の逆転記!〜女神と始めた第二の人生は伝説級の英雄だった件〜(小説家になろうの作品ページ)
著者…和田 真尚(小説家になろう著者ページ / Twitter)
イラスト…オウカ (Twitter)
『拾う女神』フィリーネに拾われ、女神の力によって10代の少年に若返った元近衛騎士のアルフレート。同じくフィリーネに拾われた伝説の武器、はぐれ龍、クラリッサ皇女とそのメイド、妹分のエルナとともに『捨てられた大地』魔境ハルツでの国造りが始まった。しかし、国造りをするには人手が少なすぎた。そこで、まずはエルナながいなくなったヴァイトリング邸を丸ごと拾ってハルツに移動、使用人達を仲間に加え、クラリッサ皇女の教育係、迫害されていたターレ村の住人、陥落したヘルツベルグ城と周辺の住人を国民として迎え、町や工房を整備することに。さらに、帝国軍が迫る最前線の町フリートラントを救うため、アルフレート達は立ち上がる!
2022年11月21日発売!
受賞…第9回ネット小説大賞
出版社…マイクロマガジン社
作品名…センパイ、自宅警備員の雇用はいかがですか?(小説家になろうの作品ページ)
著者…二上圭(小説家になろう著者ページ/Twitter)
イラスト…日向あずり(Twitter)
二人と一匹の生活維持のためにタマは自主的に残業に精を出すようになる。
一方、レナの料理の腕前はプロ級へと進化を遂げて……。

2022年11月30日発売!
受賞…第8回ネット小説大賞
出版社…双葉社
作品名…のんべんだらりな転生者 貧乏農家を満喫す(小説家になろうの作品ページ)
著者…咲く桜(小説家になろう著者ページ)
イラスト…藻(Twitter)
恩恵を覚醒させ、夢の世界での激闘に勝利したアウル。魔術学院も無事に卒業し、3年間の王都生活にも一応の区切りがついた。次なる目標は、ナギの復活と邪心の封印。カギとなる邪心の欠片を集めはじめたアウルたちだったが、隣国で勇者召喚が行われ、勇者たちも邪心の欠片を探しているという。アウルは邪心を封印し、のんべんだらりな生活は手にできるのか――。小説家になろう発、スローライフファンタジー完結巻!

恋する王子は不遇令嬢を所望する 竜の魔法が導く溺愛ルート/イラスト:三月 リヒト
第10回ネット小説大賞において『恋する王子は不遇令嬢を所望する 竜の魔法が導く溺愛ルート』で
受賞となった当麻月菜先生に独占インタビューを敢行!
前半では『受賞作の見どころ』を、後半では『小説を書くときのコツ』などを伺いました!
ぜひ最後まで読んでみてください♪
“竜に祝福された”コンティノア国が舞台の、3組の甘いラブストーリー❤
「お父様と違う髪の色、瞳……」
たったそれだけのことを理由に冷遇されて育ったティーナの待遇は、ある晩の夜会に“本当の娘”を名乗る少女・シャシェが現れたことで、苛烈さを増す!
そして婚約者とも疎遠になり、誰にも愛されなかった失意のなか、18歳で病死してしまう。
――しかし、何かに呼び起こされて目を覚ませば、そこはシャシェが初めて現れた夜会で!?
「こんな茶番、5分で終わらせてやる」
一度目の人生では見たことのない、婚約者・第3王子のカルオットの強い眼差し。
ティーナに起こった不思議な“時の巻き戻り”には、王家の血を引く者だけが持つ『竜の魔法』が関わっているようで……。
そのほか、自由奔放な姫・リシャーナと異国の青年・デイニスの出逢いと波乱、王国の初代王と妃の秘密を描いた“誰も知らない”愛と奇跡など、『竜の魔法』にまつわる運命の恋人たちを描く新規書き下ろしエピソードをたっぷり収録!
Amazon『恋する王子は不遇令嬢を所望する 竜の魔法が導く溺愛ルート』

――――第10回ネット小説大賞の受賞、おめでとうございます!入賞と知った時は、どのようなお気持ちでしたか?
高額な宝くじに当たったような感覚で……すごくビックリしました(笑)!
第9回が開催されたときからコンテスト自体は気になっていたのですが、応募できる作品が手元になかったので、第10回では書いていた作品をすべて出しました。お祭りに参加するような感覚で応募していたので、まさか自分がという気持ちでしたが、本当に嬉しいです!
――――受賞作『恋する王子は不遇令嬢を所望する 竜の魔法が導く溺愛ルート』は、小説家になろうでは「たった5分で終わった復讐劇」というタイトルでしたね。タイトルのインパクトが大きい作品ですが、どのように決められたのですか?
ありがとうございます。実はこの作品は短編だったこともあり、タイトルは物語を書きだす前にすぐ決まりました。
自分の人生を考えてみても「データを上書きしとけば消えなかったのに」「コップを動かしておけば割れずに済んだのに」といったように、小さなことでもたった5分で何かが変えられることって多いなと思って、このタイトルになりました。
――――まさに「たった5分でこんなに物語が変わるなんて!」という、短編ながらまさかの展開がある作品ですよね! 13,000文字と受賞作のなかでも短い作品でしたが、書籍化にあたってどのように1冊のボリュームになったのでしょうか?
1つの物語の文字数を増やして長編にするのか、それとも短編集のようにするのかなど、担当編集さんと相談しながら決めていきました。
10月21日に発売される本書では、書き下ろしを含めて3つの連作短編集となっています!
――――実は発売予定の本を拝読させていただいたのですが、3つの短編で登場するヒーローとヒロインの3組が表紙に描かれていますね!
イラストをご担当いただいた三月リヒト先生にありがとうございます!とお伝えしたいです。「この表紙にすべてが詰まっている!」というくらい素敵に仕上げていただきました。
――――「たった5分で終わった復讐劇」のティーナ(ヒロイン)とカルオット(ヒーロー)が手前に描かれていますね! 先生から見て二人は、どんなキャラクターでしょうか?
真心という気持ちを文章にしたいと思って描いたキャラクターでした。二人とも不器用だけど、誰かを思う気持ちをお互い持っています。
読み終えたときに自分の大切な人を思い出していただいて、その方を大事にしていただけたら嬉しいです!
――――最後に、ファンの皆様や作品が気になっている方々に一言いただけると嬉しいです!
小説家になろうの『たった5分で終わった復讐劇』から、書籍ではタイトルが変わって『恋する王子は不遇令嬢を所望する 竜の魔法が導く溺愛ルート』になります。
本書は“竜に祝福された”コンティノア国を舞台に、竜の魔法にまつわる3つの物語で構成されています。同じテーマのお話なので長編としても楽しんでいただけますし、別々の物語としても楽しんでいただけると思います!
ぜひ読んでいただけると嬉しいです!

――――物語を書くとき、完結をさせるのが難しいという悩みを抱えている方が多いようです。当麻先生が工夫されていることはありますか?
私の場合は、最終章だけ先に書いておきます。結局のところ7割くらいは書き直しになるんですが、先に結末さえ書いておけば「これを掲載すればいつでも完結できる!」という一つの保険になるので、肩の力を抜いて書けます(笑)。
――――それは画期的な方法です……! 当麻先生は、執筆に詰まることはありますか?
しょっちゅうあります! でも、煮詰まるときには物語に矛盾があったり、書くことに夢中になってしまって物語が面白くなくなっている時だと思っています。
だからこそ、煮詰まった時には物語を読み返すようにしていますね。
――――執筆前に設定はどこまで決められていますか?
私の場合は、綿密に決めておくというよりは、物語を書き進めるときに想像する隙間を残しておきます。事前に調べつくしてしまうとそれだけで満足してしまうので、モチベーション維持になります(笑)。
――――文章を書かれるときに、意識していること、注意していることはありますか?
執筆していて、自信がないときに接続詞を何度も使ってしまう癖があるので、できるだけ使わないように意識しています。
あとは心理描写をするとき、読者にとって「こうあってほしい!」と思えるような、理想の男性(ヒーロー)の心理ってなんだろう?という視点を意識して書いています。
――――そのほか、次回のネット小説大賞応募者にアドバイスがあればいただけますと嬉しいです。
応募資格は人生で一回しかないわけではないので、どんどん応募してチャレンジしてみてほしいです!
応募するために書いていくことで執筆スキルは上がっていくものだと思うので、恥ずかしがらず、ぜひ機会があればチャレンジしてみてください。
当麻先生の作品が短編で受賞されたことで、勇気づけられた作家さんもいらっしゃると思います! この度はロングインタビューをありがとうございました!
10月21日に出される『恋する王子は不遇令嬢を所望する 竜の魔法が導く溺愛ルート』。発売を心より楽しみにしております!