ワンポイントアドバイス

この度は『第13回ネット小説大賞』にご応募いただき誠にありがとうございました。
今年は2万5000作品を超えるご応募をいただき、盛況のなか最終結果発表を迎えることができました。応募者の皆様、協賛企業の皆様、『小説家になろう』を運営するヒナプロジェクト様、そしてコンテストに関わって頂いたすべての皆様に心より感謝申し上げます。
これからも素敵な作品が、弊コンテストから世に羽ばたいていくことを楽しみにしております。

コメント紹介について

本コンテストにご参加いただきました編集者の皆様からの様々な声を集めましたので、ご紹介させていただきます。

来年も皆様からのたくさんのご応募を心より楽しみにしております。

応募作品全体の傾向についてのコメント

・作品数が増えて大変賑やかな「第13回ネット小説大賞」でした。全体的に王道の軸や構成力など基礎的な部分は向上しており、読みやすい作品が多かったです。

・多種多様なジャンルの応募があり、楽しく選考させて頂きました。

・展開の早い作品が増えて、序盤から読者を楽しませようという試みの作品が増えて良かったです。また、文章は粗削りでも、展開やキャラクターで読ませようとしてくる作品が多く、作り手としてのポテンシャルを感じる作品が多かったです。

・現代ものからハイファンタジーまで、非常に幅広いジャンルの作品がありどんな人でも興味をそそられるテーマの小説が必ずある、と感じました。

・商業小説や漫画のトレンドを抑えつつ、今の読者の感性とリンクする主人公が増えている印象でした。また、トレンドの中にオリジナリティや個性をしっかり描いている魅力的な作品が多いと感じました。

その上で、キャラクターやストーリーラインの特徴が、タイトル名に表れている作品が多く、編集部としても読ませていただくきっかけになったと考えています。

・魅力的な男性向け作品が多かった回だと思いました。

・今回の応募作品では、ストーリーのテンポが速く、読者を飽きさせない構成の作品が多く見られました。短い導入で一気に物語に引き込む工夫がなされており、序盤から読者を惹きつける点は非常に評価できる部分でした。

・女性向け異世界恋愛はジャンルとして活発な分読者の目も肥えてきており、パッと目を引く独自性あるタイトルや設定、キャラクターとしての強度などが求められるなかで、高水準な良作に多く出会えました。

・異世界恋愛の作品を初めとして、ファンタジー作品やSF、ヒューマンドラマなど幅広いジャンルの作品を拝読させていただきました。いずれの作品におきましても、各執筆者ならではの独自の魅力が感じられ、大変興味深く拝見いたしました。

・応募いただいた作品には、ポイントの多寡にかかわらず可能な限り目を通しています。自分が面白い、書きたい作品と思う作品を、ぜひ自信を持って書き切ってください。

・異世界から現代まで、新作から名作までバラエティに富んだ作品ばかりで、皆さまの熱い想いを乗せた作品を選考させていただく中、編集部の選考会も白熱したものとなりました。

・各作品、内容が面白いだけでなく、タイトルやあらすじから興味を惹くように努力をしていたりと、書籍化した際のパッケージを見据えた作品ばかりでレベルの高さを感じました。

・今回も非常に魅力的・意欲的な作品が多く、ますますレベルアップしていると感じました。

・多種多様な作品が集まり、ワクワクしながら読ませていただきました。特に、タイトルやあらすじ部分で読者の興味を引こうと工夫している作品が多かった印象です。

・「異世界恋愛」ジャンルでは、王道ストーリーをベースにしつつ、オリジナリティを出そうとする作家の意欲が感じられる作品が多々ありました。

・キャラの良さに惹かれる作品、どんでん返しの展開が光る作品など、様々な”オリジナル”に出会えたことは、新しい可能性の発見にもなりました。

作品を選んだ基準について

・読者がタイトルやあらすじ、序盤の展開からワクワクできるような作品を中心に選定させていただきました。

・序盤のストーリーのテンポ感、王道展開とオリジナリティのバランス、キャラクターの個性、コミカライズを想定した構成(各章に見せ場があること、読者を引き込む終わり方など)を中心に評価させていただきました。

・異世界市場が成熟する中で、より個性際立つ作品が求められてきていると感じます。そんな流れに合致した個性を持った、「○○っぽい」と括れないような作品を選考させていただきました

・「悪役令嬢ものだからこういう展開になるだろう」というこちらの予想を良い意味で裏切ってくれる作品は驚きとともに好印象を持ちました。

・エンターテインメント性の高いファンタジーでありながら、作品独自の哲学やメッセージ性を感じる作品に心惹かれました。

・異世界ファンタジー作品は、悪役令嬢・婚約破棄・最弱(?)スキル等の王道もの以外にも、独自の設定を生かしたオリジナリティ溢れる作品が多く応募されており、読みごたえがありました。

・主人公の在り方を重視しました。読み手からも他キャラからも愛される人間性や感じれる精神性を判断基準にして選定しました。

・作品選定においては、作品自体の面白さという観点はもちろんですが、読者が作品を読み進めていく中で、ストーリー展開に矛盾がない作品かどうかという点が、受賞選定させていただく上で重要な判断ポイントの1つだと感じました。

・「小説家になろう」の構造上、ランキング上位には昨今で言う婚約破棄や悪役令嬢などの流行ジャンルが多く並ぶ傾向にあります。しかし、流行要素とはあくまで作品に読者を呼びこむためのきっかけ作りであり、そこから読者に定着してもらうにはさらなる魅力が必要だと考えます。

キャラクターの個性や世界観、ストーリー展開、文体など、何かしらの突き抜けた要素がある作品には心惹かれます。

今回のネット小説大賞では、そんな編集者の心が動いた作品を受賞作として取らせていただきました。

・応募数の増加もあいまって、他作品との差別化に苦労しているなと感じる部分も少なからずありました。そのような状況のなか、しっかりと世界観・設定・キャラクターを練って造り込み、作品独自の『色』を強く打ち出せているかという基本に立ち返った視点で評価し、良作に巡り合えてよかったと感じています。

アドバイス

・異世界恋愛ジャンルでは短編作品が依然として多く、内容自体は面白いのですが、ノベルやコミカライズとして展開するには物足りないケースもありました。長編化を意識した作品がもっと増えると、さらに商業化の可能性が広がると思います。

・異世界恋愛はやはり短編が多いので、もっと長編の作品が読みたかったです。

・話は面白いのに文字数が足りなかったり短編だったりした影響で、書籍化が難しい作品が多かったので、文字数が多い作品はもっと増えてほしいと思いました。

・タイトルやあらすじから「面白い!」と思っても話数が少ない作品が多く見受けられ、もったいない印象でした。ランキングやPV数に一喜一憂せず、伸びずとも自分が面白いと思える作品を書ききる力も鍛えていきましょう。

・全体の基準が上がったゆえに、セオリー通りではあるけれど差別化要素が弱く、埋もれてしまう作品も多い印象でした。

・全体としてとてもレベルが高く読みやすい作品が多かったのですが、一方で数多く並ぶタイトルの中から一際目を惹くような個性、フェチズムを持った作品は少なく感じました。王道の中にも滲み出るフェチズムが、コミカライズ原作を選考する際の材料である「読んでいて絵が浮かぶようなインパクトのある展開やキャラクター」にもつながってきますので、「自分は何を表現したいのか」「どんなキャラ・展開が好きなのか」皆様には心ゆくまで向き合っていただき、更にフェチズムを開放した作品を期待しております。

・気になった点としては、読者を具体的に意識できているかどうかです。パンチのある題材をフックにする意識は良いのですが、専門的すぎて読者が限定されてしまい、手に取りづらい作品が増えた印象でした。間口を広げられるテーマ選びも意識してみてください。

・台詞や地の文だけ話が進行する形のため、書籍化自体はできるものの、コミカライズといった絵に起こすことが難しい作品も多かったと思います。もう少し絵に起こしたときに物語が映えるような物語が増えても良かったのではと思いました。

・シリーズ化を念頭に書籍化をご相談する場合も多く、キャラクターの目的や動機など物語のぶれない軸を持っているかも判断基準となります。そのため、作品作りの際に、そこをより意識してもらえると良いかもしれません。

・物語の内容以外で魅せることも大事ですが、やはり各作品に込める「面白い」を大事にしていただき、ご応募いただく皆様には、ランキングなどに左右されず自分の作品に誇りを持って、ぜひ挑戦し続けていただければと思います。我々編集部もそんな熱い想いを見逃さないように、作品に真摯に向き合っていければと思います。

・読者が最初に目にするものはタイトルなので、インパクトがありつつ作品の方向性が分かるものにすると、多くの方に読んでいただくきっかけを作りやすくなります。

・商業作家として活躍するには、そのオリジナリティを活かしながら「どうすれば読者の求めるものに応えられるか」という思考も必要になりますが、ややその視点が欠けている作品が多かったので、自分の作品を客観的に分析することをおすすめしたいです。

・コミカライズにあたって難易度が高い作品が増えてきている印象でした。気になる点としては「本当にこのキャラがこの作品の主人公で良いのか」と思える作品が多々見えた所です。たんなる「チート」キャラではなく、作品の「顔」となりうる主人公を描くことを意識して頂けたらと思います。

・女性向け異世界ジャンルを選考しているなか、飛び道具的なユニークさや序盤でのヒキに注力しすぎてしまい、中盤以降にお話しの強みとなる部分が失速してしまう作品もあり、もったいないと感じたこともありました。

・トレンドワードをちりばめたタイトル設定や、タイトルが短くてもタグ付けをしっかりしている作品が閲覧数や評価ポイントを伸ばしているように見受けられました。

もっと応募作品が増えてほしいジャンル

・ランキングなどでも女性向けの異世界恋愛ジャンルが目立ちますが、従前から人気の高い男性向けハイファンタジーなども引き続き求めております。ぜひ、今後も意欲的にチャレンジしていただければと思います。

・近年はコミカライズや映像化においてもホラー需要の高まりを感じますので、ホラーやミステリーものは今後ぜひ増えてほしいと感じました。

・性別関係なく大人が安心して読めるスローライフものが増えてほしいと思っています。

・スローライフや子供主人公ものといったジャンルはもっと増えてほしかったです。

・文芸作品については、例年よりも新規応募作品が少なかったのが残念でした。

・作品の傾向としては、世の中に一石を投じるような硬派な作品や、社会派作品があれば嬉しいなと感じました。

・女性作品やBL作品は、やはり全体的に応募が少なかったという印象です。一方、上記ジャンルの入賞作品も出ているように見受けられますので、今後より応募数が増えていくことを期待しております。

・BL作品はまだまだ数が少ないと思いますが、その中でも世界観がしっかりした作品は読みごたえがありました。一方で「恋愛シーンをもっと読みたかった…」と思う作品もあったので、世界観描写・恋愛描写の両方で読者をドキドキさせられる作品を期待しています!

・中年のおじさんやおばさんが主人公のものが、元気もらえていいなと思います。一方で、高年齢のおじいさんやおばあさんが活躍する作品ももっとあっても面白いと思います。

・数章読切の連作や、ひとつのテーマに関するオムニバス作品などもぜひ増えてほしいと思います。

・女性向け作品が人気が出やすい傾向があるかと思いますが、男性向け作品への応募もぜひよろしくお願いいたします。

・女性向けでも男性向けのどちらがベースであっても、男女ともに読めて、愛される主人公が登場する作品が出てくるといいなと思います。

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