トピックス記事

【初心者向け】小説の書き方|書籍化作家8人に聞くプロットの書き方、キャラクター設定など

 


 

作家を目指している方のなかには、「もっと小説をうまく書きたい!」「プロの作家さんがどうしているのか知りたい」と思っている方も多いのではないでしょうか。

そこで、小説の書き方を知りたいという方必見! 日本最大級の小説コンテスト第10回ネット小説大賞で受賞した作家陣のみなさんに、『小説の書き方のノウハウ』をインタビューしました!

 

 

プロットの作り方(物語の構成)


執筆を開始する前に、物語のあらすじや、舞台・キャラクター設定などを決めておく『プロット』。

『プロット』そのものは知っていても、「作る必要ってあるの?」と疑問を持たれている方も多いのではないでしょうか。

ネット小説大賞がインタビューをしてみたところ、書籍化作家さんであってもプロットを作成するかどうかは、作家さんによって異なるようでした。

ただし、プロットを作らない派の作家さんも、結末と通過点だけはザックリと事前に決めておく方が多い印象でした……!

それでは、実際に先生たちのコメントを見ていきましょう。

 

プロットを作る派

 

■月神サキ先生『お尋ねの元大聖女は私ですが、名乗り出るつもりはありません

プロットを事前に作りこんでおくことで、執筆が詰まらないようにしています。序章、一章、二章……と章ごとに分けて話の展開をすべて書き出していくと、プロットが1万5000字くらいになります。

このとき、重要なセリフなども決めてプロットに入れておきます。プロットがあると1本線が通るから話のブレがなくなりますし、最終的に何万字になるかの目途も立てやすくなります。

 

■玉川玉子先生『婚約破棄23回の冷血貴公子は田舎のポンコツ令嬢にふりまわされる

プロットはかなり作りこんでいますね。ネタ帳に思いつくままバーッと書いて、オチが決まり、全体の構成が見えてきたら、起承転結に分け、肉付けしていきます。
ヒーローやヒロインの気持ちの変遷も何段階かに分けて書いていて、この気持ちの変化に付随するエピソードはこれ、というかたちで決めていきます。

例えば【変わったやつだなあ】→【一緒にいると楽しいな】→【可愛いな】という感情の変遷があるとしたら、それぞれに具体的な出来事をリンクさせ、さらにモブ、小道具、笑えるセリフなどで味付けをして一つのシーンが完成する感じです。

 

プロットは作らない派

■岡崎マサムネ先生『モブ同然の悪役令嬢は男装して攻略対象の座を狙う

プロットは作成しませんが、書く前からゴールと通過点がある程度決まっています。その通過点を繋げながら、ゴールに向かって書き進めているイメージです。

 

 

■暮田呉子先生『お荷物令嬢は覚醒して王国の民を守りたい!

プロットは作らず、浮かんできた映像を書きながら具現化していきます。ただ、大まかに結末は決めていて、それに向かって物語を進めていますね。

各章のタイトルも事前に決めておきます。あんまり細かく決めておくと、それで書いた気になってしまって満足してしまうので、あえてふんわりさせておくことで執筆するモチベーションを維持しています!

 

 

ネット小説大賞スタッフからのコメント

プロットを事前に作りこんでいる作家さんは「書き進めているときに詰まりにくい!」という意見で合致していたのが印象的でした。「書いても物語がなかなか先に進まない……」「物語を完結させられない……」と悩んでいる方は、プロット作りにチャレンジしてみても良いかもしれません。

詳細なプロットを書くのが難しいという方は、ひとまず物語の通過点と結末を決めてみるところから始めてみるのも良いでしょう。

もちろん「最初の想定と違う作品になったからこそ受賞につながった」という作家さんもいるので、正解はありません。ぜひ自分に合ったやリ方を見つけてみてくださいね!

 

 

 

キャラクター設定の作り方

 

主人公の年齢、容姿、性格、属性など、作家さんが事前にどこまで決めているのかは気になるところですよね。

作家の皆さんに伺ってみたところ、キャラクター設定の決め方やこだわりのポイントはバラバラでしたが、物語には描かないところまでしっかり作りこんでいる作家さんが多い印象でした!

設定を作っておくとキャラクターに深みが出たり、物語を広げやすくなるそうです。早速、みなさんのノウハウを伺っていきましょう。

 

■月神サキ先生『お尋ねの元大聖女は私ですが、名乗り出るつもりはありません

私の場合だと、恋愛のヒーローとヒロインの二人の性格を決めたら、それぞれのバックグラウンドを書いていきます。例えば母性がある性格の女の子の場合は「甘えてくる男の子に弱い」とか「長女で世話が好き」とか。そういうバッググラウンドを詰めていきます。

 

■MIZUNA先生『やり込んだ乙女ゲームの悪役モブですが、断罪は嫌なので真っ当に生きます

魔法を極めさせたい、政治的なことをやらせたい、商売をさせたいなど、物語が終わるまでに主人公にやらせたいことを決めて逆算しながら主人公の年齢を決めていきました。

登場人物の年齢や容姿、性格の設定などはパワーポイントに1キャラ1ページを使ってまとめていて、2022年10月時点では120ページを超えています。

また、物語の登場人物が少ないと狭い世界観で物語を動かさないといけません。多めに作っておいて、後で調整するという方法も良いかもしれません。

 

■玉川玉子先生『婚約破棄23回の冷血貴公子は田舎のポンコツ令嬢にふりまわされる

主人公の名前にはこだわっています。舞台がなんちゃってヨーロッパのファンタジーにしている場合、「明らかにその名前はフランスにしかないだろ」みたいな名前にならないように気を付けています。

あと、王族に百姓っぽい名前をつけないように農作物に関連しそうな名前などは避けていますね。

語源がキャラクターに合っている名前が理想だと思うので、意識して選んでいます。例えば婚約破棄23回の冷血貴公子は田舎のポンコツ令嬢にふりまわされるのヒロインのオフィーリアは『助けになる』という意味で、本作でもみんなの救いになるようなキャラクターなんです。

 

 

ネット小説大賞スタッフからのコメント

キャラクターがなぜその性格になったのか、物語のなかでなぜ心情が変化していったのかなど、具体的なバックグラウンドやエピソードがあると、人物に深みが出そうですね。

ただ、設定を作りこみすぎると、物語内で設定を説明しすぎてしまって流れが悪くなってしまう……なんてケースもありますので注意してくださいね!

 

 

 

小説のトレンドの取り入れ方


 

小説を書くとき、トレンドの要素を取り入れた方が良いのかは悩みどころですよね。実際に作家さんたちは意識されているのでしょうか? 

 

■月神サキ先生『お尋ねの元大聖女は私ですが、名乗り出るつもりはありません

得意なジャンルや、好きなジャンルを書いてみることをおすすめします。もしもデビューができて、その作品が売れて、運よく他の出版社様からお声が掛かった場合、一冊目と同じ系統のお話を依頼されます。ファンの方としても、「○○先生のこういう話がもっと読みたい!」という期待をしてくださると思うんです。私もそうなので……(笑)。

でも、それが自分にとっての苦手ジャンルで、本当は好きではないものだったとしたら書き続けるのは苦しいですよね。だからこそ、好きなものを書く、得意ジャンルを書くことをおすすめします……!

 

■MIZUNA先生『やり込んだ乙女ゲームの悪役モブですが、断罪は嫌なので真っ当に生きます

小説を書くときには、すでに書籍化されている私が好きな作品を参考に執筆しました。書籍化されている作品=ニーズのある作品であり、出版社の目に留まりやすいかなと思ったからです。意図して狙ったわけではないですが、出版社のなかでも一番読んでいたのは受賞させていただいたTOブックス様の作品でした。

 

 

■編乃肌先生『世界で一番『可愛い』雨宮さん、二番目は俺。

今の流行や、読者の方に受け入れてもらいやすいテーマは意識しています。ただ、「トレンドの作品を書こう!」と意識しすぎると上手く書けないので、自分の好きなものをトレンドにうまく結びつけるイメージで書いています。

 

ネット小説大賞スタッフからのコメント

トレンドを意識しているか尋ねたところ、「好きなものを書いています!」と即答される方が多かったです。

一冊分の書籍の文字量は、おおよそ10万字。もちろん2巻が出れば20万字……と増えていくので、長編を書けるくらい愛着をもてる作品を書く、ということが大前提なのかもしれません。

※ちなみに文字数関係なく応募できるネット小説大賞でも、短編で受賞した方の場合は後から書き下ろしなどを加筆いただいて出版となっていることが多い印象です。

 

 

 

執筆するペース


 

小説を書くにあたって、作家さんがどれくらいのペースで書いているのか気になりますよね。

作家さんにインタビューをしていると、毎日1000字~3000字と決めて書いている方が最も多く、日によって分量が違う方、まったく書かない日を決めている方など様々でした。

 

■月神サキ先生『お尋ねの元大聖女は私ですが、名乗り出るつもりはありません

1日1万字くらい書いています。それにプラスアルファで、コミカライズの確認などの仕事をしています。お休みは週1くらいで取れたら良い方かな……という感じですが、好きな仕事なので苦ではないですね! 外出する日は書かないと決めています。

■MIZUNA先生『やり込んだ乙女ゲームの悪役モブですが、断罪は嫌なので真っ当に生きます

『小説家になろう』では毎日更新をしていて、1話あたり文字数1,5002,500前後なるように執筆しています。ただ、調子が良い時や話の内容によっても文字数は変わります。少ないときは1,500文字。通常は2,500前後。多いときは7,000文字を超えたこともあります。

しかし、最近は文字数よりも、毎日1話以上を書き上げることを意識しています。

■暮田呉子先生『お荷物令嬢は覚醒して王国の民を守りたい!

作品を書き始めた当初は、2000字~3000字を毎日書いていました。20万字を超えた今は継続力が大事だと思っていて、毎日1000文字くらいまでと事前に決めておくことで書くのが嫌にならないようにしています!

 

 

 

 

■森月真冬先生『異世界ラーメン屋台、エルフの食通は『ラメン』が食べたい

週3~4回のペースで書いています。まずは5000字~7000字くらいザっと書いて、その内容を整理しながら3000字~4000字に削っていきます。

 

 

執筆が詰まった時の対処法は?


 

小説を書いていて、「物語が先に進まない……」ってことはよくありますよね。煮詰まってしまって、そのまま放置してしまう方も多いのではないでしょうか?

そんなときの対処法を、プロの先生方に伺ってみました。

 

■月神サキ先生『お尋ねの元大聖女は私ですが、名乗り出るつもりはありません

詰まることはないですね。というのも、「詰まらない」とは「止まらない」ことだと考えています。

納得するまで書き直していたら絶対に書き終わらないので、止まることはせず、とにかく最後まで書く。書き終わったあと、改稿のタイミングで見直してみたらそこまでひどくないということもよくあったりするので。

とにかく書き進めることを大事にしていただけたら良いのではないかと思います……!

 

■MIZUNA先生『やり込んだ乙女ゲームの悪役モブですが、断罪は嫌なので真っ当に生きます

「悩む暇があったら書け! 書いて、書いて、書いて、書いて、書き続ける! それしかない!」という感じで書き進めていきます。私の場合は、悩んでいてもあまり良い発想は生まれず、書いていたら色んな発想が生まれてきます。執筆に悩んでいてもPCに向かい、Wordを開いて物語を書くようにしています。

■暮田呉子先生『お荷物令嬢は覚醒して王国の民を守りたい!

執筆に詰まったら外に出て散歩をしたり、気分転換も兼ねてカフェなどのガヤガヤしたところで書いてみると、はかどることもありますね。

 

詰まるときには物語に矛盾があったり、書くことに夢中になってしまって物語が面白くなくなっている時だと思っています。だからこそ、煮詰まった時には物語を読み返すようにしていますね。

それから私の場合は、最終章だけ先に書いておきます。結局のところ7割くらいは書き直しになるんですが、先に結末さえ書いておけば「これがあればいつでも完結できる!」という一つの保険になるので、肩の力を抜いて書けます(笑)。

 

 

 

■玉川玉子先生『婚約破棄23回の冷血貴公子は田舎のポンコツ令嬢にふりまわされる

プロットを作り込んでいるので、詰まるとしたらけっこう細かいところになりますね。例えば出かけるというイベントは決まっていて、「馬に乗りに行くのか」「買い物に行くのか」といったようなところで詰まることはありますが、結果は決まっているのでそんなに長いこと詰まることはないですね。

 

 

■森月真冬先生『異世界ラーメン屋台、エルフの食通は『ラメン』が食べたい

詰まったときには一度、お酒を飲んだりマンガを読んだりして、意識的に忘れるようにします。そうしていたら、翌日になってふっと解決策が浮かんできたりすることが多いですね。

 

ネット小説大賞スタッフからのコメント

どの作家さんにも共通していたのは、「継続力が大切」だということですね。また、納得いくまで修正していると先に進めなくなってしまうので、いったん先に進んでみるのも手段の一つ。

「書きたいシーンをあらかじめ用意しておいて、それを書くことをモチベーションにする」「小説家になろうなどの小説投稿サイトを活用して、他人に読んでもらうことでモチベーションをあげる」など、書き続けるための工夫を凝らしてみましょう。

 

 

 

文章を書くコツ

 

 

魅力的は文章の書き方について、困っている方も多いのではないでしょうか。文章の書き方のコツとして、心掛けていることを作家さんに教えてもらいました。

 

【心理描写】暮田呉子先生『お荷物令嬢は覚醒して王国の民を守りたい!

心理描写では「共感できる要素」をあえて取り入れるようにしています。例えば、好きだからこそ相手の望んでいる通りに動いてしまったり、家族に迷惑を掛けると申し訳ないなと思う気持ちなど、誰にでも経験があるような感情をあえて書くように心がけています。

 

【タイトルとあらすじ】編乃肌先生『世界で一番『可愛い』雨宮さん、二番目は俺。

書き始める前は、タイトルとあらすじを考えることに時間を掛けています。タイトルとあらすじは作品を読むときの入口だと思うので、山ほど作品があるなかで書籍化まで目指すとなると、読者が入口で転ばないように惹きこむものを用意したいと思っています。

 

【シーンの書き方】森月真冬先生『異世界ラーメン屋台、エルフの食通は『ラメン』が食べたい

1つのシーンに登場人物が5人以上いると、読者が状況を把握することが難しくなると思うので、その点は気を付けています。それから改行が少ないと読みづらいので、一応、3行くらいを改行の目安にしていますね。

 

最後に

いろんな作家さんのノウハウをご紹介させていただきました! 先生方、本当にありがとうございました!

 

ご協力いただいた先生(取材実施順)

 

取材記事にはもっと細かいノウハウも! ぜひ読んでみてください!

 

月神サキ先生『お尋ねの元大聖女は私ですが、名乗り出るつもりはありません』 取材記事 / Twitter

編乃肌先生『世界で一番『可愛い』雨宮さん、二番目は俺。』 取材記事 / Twitter

森月真冬先生『異世界ラーメン屋台、エルフの食通は『ラメン』が食べたい』 取材記事 / Twitter

岡崎マサムネ先生『モブ同然の悪役令嬢は男装して攻略対象の座を狙う』 取材記事 / Twitter

MIZUNA先生『やり込んだ乙女ゲームの悪役モブですが、断罪は嫌なので真っ当に生きます』 取材記事 / Twitter

玉川玉子先生『婚約破棄23回の冷血貴公子は田舎のポンコツ令嬢にふりまわされる』 取材記事 / Twitter

暮田呉子先生『お荷物令嬢は覚醒して王国の民を守りたい!』 取材記事 / Twitter

当麻月菜先生『恋する王子は不遇令嬢を所望する 竜の魔法が導く溺愛ルート』 取材記事 / Twitter

 


 

 

 

ページトップへ