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【裏山おもて先生】受賞者インタビュー『神秘の子』|作品の見どころ・小説の書き方

(C)裏山おもて   (C)生煮え/双葉社

 

第12回ネット小説大賞において『神秘の子~数秘術からはじまる冒険奇譚~』で受賞となった裏山おもて先生に独占インタビューを敢行!

前半では『受賞作の見どころ』を、後半では『小説を書くときのコツ』などを伺いました!
ぜひ最後まで読んでみてください♪

受賞作品のご紹介

 

高校生の七色楽は、卒業式の日にクラスメイト全員とともに事故に遭い、公爵家の六男「ルルク」として異世界に転生した。
楽な第二の人生になるかと思いきや、待っていたのは魔術が使えないことで家族から虐げられる毎日。早く自立して家を出なければと焦るルルクだったが、ある日自分が『数秘術』という回復や召喚など、様々な力のある最強チートスキルを持っていることに気づく。
そのスキルは彼の運命を大きく変えていく…。クセの強い仲間たちとともに成長していく転生チート冒険譚、第一弾!

Amazon『神秘の子~数秘術からはじまる冒険奇譚~

 

 

 

 

 

 

――――受賞おめでとうございます! ついに書籍が発売されましたが、ご家族やお友達のリアクションはいかがでしたか?

裏山おもて先生

ありがとうございます! 初めての書籍化だったので、賞金を恩返しとして両親に渡しに行ったんですけど、両親からも「おめでとう」ってお祝いにステーキとケーキをご馳走してもらいました!

 

――――それは嬉しいですね! 賞金をご両親にプレゼントっていうのも素敵です。

裏山おもて先生

ただ、親に「賞金は何に使うの?」って訊いたら 「あんたが車で帰ってきたときのために1台分、駐車場つくるためのコンクリ代かな~」って言われました。だけど僕、車もってないんですよね。なので賞金は虚無のコンクリに変わる予定です!(笑)

 

―――きれいなオチがつきましたね(笑)本作にはギャグシーンが多いですが、ルーツを見た気がします。

裏山おもて先生

もうひとつ周りの反応でいうと、友達に教師が1人いるんですけど、発売日に「小説を買ったよ~」って連絡をもらって。それは嬉しかったんですけど、「読むの?」って尋ねたら「いや、学級文庫の一番目立つところに飾っとくな」って言われて(笑)。ちょっとやめて、恥ずかしいからって話もしましたね。

 

――――すごい、受賞作が思わぬかたちで学級文庫に(笑)! ちなみに、ネット小説大賞は今回が初めての応募になりますか?

裏山おもて先生

なろうコンだった時代に応募したんですけど落選しちゃって、それからしばらく公募に応募してなかったので数年ぶりの応募でした。
周りに「書籍化のチャンスがあるかもしれないよ」と背中を押してもらって。

 

――――小説家になろうの投稿歴がすごく長いのかなと思うのですが、小説を書き始めたきっかけを教えてください。

裏山おもて先生

社会人になってから周りの友達がほとんど教師になって、忙しくて遊んでもらえなくなって(笑)
それで暇になったので小説を読み始めたら影響されちゃって、もう10年以上なろうに投稿していますね。

 

―――10年以上も続けられていることがすごいですよね! 本作は伏線や設定がかなり練られていますけど、着想はいつ頃から?

裏山おもて先生

最初に考え始めたのが2018年くらいですね。それから3 年ぐらいは書き出さずに、ずっと世界観や設定を妄想していました。

 

―――書き出すまでに3年……!? 最初から今のかたちに近かったんですか?

裏山おもて先生

いや、最初は現代もので考えていたんですけど「数秘術」として数字の特徴を使って力をつけていく物語にするには現代社会じゃ限度があったので異世界に切り替えました。

ただ、転生ものを書いたことがなかったので悩んで、いわゆる「なーろっぱ(異世界転生ものでイメージされる西欧風の異世界のこと)」を根底において、物語の1万年くらい前から歴史を作って、土地を作って、文化を作って……と頭のなかでいろいろ妄想していきました。
それからまず100 話ぐらいガッと書き出して、それを友達に読んでもらったときに「投稿してみて」と言ってもらえたので、連載を始めたのが今につながっています。

 

―――読者が応援したくなるようなキャラクターにするために、工夫されていること、表現するうえで心掛けていることなどあれば教えてください。

裏山おもて先生

そうですね。ただ公開するつもりがなかったこともあって、細かいブラッシュアップをしてない状態で投稿をはじめちゃって。だから小ネタを読み返してみると、自分でも面白い部分と面白くない部分があったので、書籍化ではその部分を分けて修正しています。
面白いと思った部分は書籍でも出したかったので、担当編集者さんに「ここは出さなくてもいいんじゃない?」って言われても「これは僕が楽しんで書いたんで出します! パパをゴリラと呼ぶのは意地でも出します!」みたいなやりとりをして(笑)

 

―――書籍化の醍醐味としてはイラストもあると思うのですが、いかがでしたか?

裏山おもて先生

もともとキャラクターを絵として想像してなかったこともあって、「イラストはすべてお任せします」と担当編集者さんに伝えていました。それで完全にお任せしていたら、もともと知っていた生煮え先生に担当していただけることになって、すごく嬉しかったですね。
基本的にイラストもほぼお任せだったんですが、主人公の兄であるララハインは格好よくしたかったのでイメージも具体的だったので、細かくお願いして(笑) すごくイメージ通りになりました。

 

―――ララハイン様、原作はもちろんイラストでも超格好いいですよね! 本作のキャラクターはヒロインをはじめ、尖っている子が多いですよね。こだわりはありますか?

裏山おもて先生

キャラクターは、欠点を2つ以上用意するようにしています。欠点があった方が感情移入しやすいのと、弱いところがあると強みが際立って、役割を与えやすいので。
ただ、サーヤちゃんだけは別枠ですね。『神秘の子』の物語の主人公はルルクなんですけど、この世界の物語としてはサーヤちゃんが主人公と考えているので、完ぺきな人間として描いています。

たくさんいるヒロインも、守られるだけ・可愛いだけのヒロインじゃなくて、主人公ではできないことを1人1つはできるように役割を持ってます。主人公にできないことができる、主人公を必要とするのではなく主人公に必要な存在が、最高のヒロインだと思ってます。

 

―――1巻で、先生から「ここを推したい!」というシーンはありますか?

裏山おもて先生

戦闘シーンで盛り上がる構成にしたのが、書籍版の一番大きいところですね。妹のリリスのために主人公が戦うシーンや、師匠のロズVS兄のララハインの対決が見どころだと思います。

 

―――最後に一言、お願いします!

裏山おもて先生

本作「神秘の子」は転生モノを読むのが初めて、男主人公やなろう小説自体が初めての方でも楽しめるよう意識して書いた作品です。
キャラクター同士のコメディを書くのが大好きで、1巻は8割がコメディという構成をしているので、兄と弟のバカなやりとりを楽しんで読んでいただけたらと思っています。

また1巻は、パロディネタが多いのでぜひ探して読んでみてください。この世界に馴染むまで、ルルクは笑いのネタを前世から持ってきちゃうのですが、新しい世界に慣れていくほど前世ネタが減っていく……という思考の変化も感じていただければと思います。

それから、書籍版では本編以外でもあとがきで遊んでいるので、そこもぜひ見つけてほしいなと思います。
最後に、ヒロインをはじめ全員可愛いと思って書いているので、ぜひキャラクターの魅力を感じでいただけたら嬉しいなと思います。

 

 

 

受賞作品についてのコメント、ありがとうございました! 続いては小説の書き方についてのインタビューです♪

 


 

 

―――小説はどんなツールで書かれていますか?

裏山おもて先生

「小説家になろう」の下書き機能です。ルビや傍点をつけるのが便利なのもあるんですが、パソコンがいつ壊れてもいいようにと(笑)

 

―――執筆ペースを教えてください。

裏山おもて先生

週に3話(1話5000~7000字程度)が平均です。ただ『ゼルダの伝説』の新タイトルが発売されたらしばらく週0話になります!ごめんなさい!

 

―――もし執筆の工程で苦手なことがございましたら、教えて下さい

裏山おもて先生

誤字脱字ですね。気をつけてはいるんですが、気づかずに投稿してしまって……誤字報告機能で読者のみなさんにお世話になりっぱなしで恐縮です。毎回、※この作品はみなさまのご協力のもと作られております。と言いたくなります(笑)

 

―――本作はきれいなタイトルの伏線回収をしているなと感じました。タイトルをつけるときに、意識していることがあれば教えてください。

裏山おもて先生
物語の本質を捉えることを意識しています。各章のタイトルも、その章の物語を読んだ後に「そういうことか」と思って頂けるように、しっかりと着地点を定めてから書いています。各章ともタイトルに向かって物語が進んでいる、という感じですね。もちろんメインタイトルの「神秘の子」も同じです。最後にタイトルが出てくる予定です。

 

―――最後に、作家志望の方々や、次回のネット小説大賞応募者にアドバイスがあればいただけますと嬉しいです。

裏山おもて先生

僕は、自分で「ここが面白い」と胸を張れる要素を1話に2つは用意して書いています。ドラマ、キャラクター、ギャグ、恋愛要素、伏線回収、オチ……なんでもいいので、数千字のなかで2つあれば読者もどっちかで面白いと思ってくれるのではないか、と考えて書いています。

それと小説の企画などで、他の作家さんと交流したりして意見を聞くのも成長できる方法だと思います。僕も「書き出し祭り」というなろうで開催している同人企画を毎回読んだり参加して、長いあいだ勉強してきました。書籍化作家さんが周囲にいる環境で腕を磨くのも、ひとつの手段だと思います。

 

―――とても参考になるご意見だと思います! 裏山おもて先生、素敵なインタビューをありがとうございました!

受賞作『神秘の子~数秘術からはじまる冒険奇譚~』を、ぜひチェックしてみてください! 

 

 

 

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