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【夜恵先生】受賞者インタビュー『反転勇者の逆転英雄譚』|作品の見どころ・小説の書き方

(C)夜恵 (C)阿崎桃子/フレックスコミックス

 

第10回ネット小説大賞において『反転勇者の逆転英雄譚~「無能はいらん」と追放されたので無能だけでパーティー組んで魔王を討伐します~』で
受賞となった夜恵先生に独占インタビューを敢行!

前半では『受賞作の見どころ』を、後半では『小説を書くときのコツ』などを伺いました!
ぜひ最後まで読んでみてください♪

    

受賞作品のご紹介

貸した魔力は【リボ払い】で強制徴収≪反転≫というユニークスキルを持つ少年・リクト。彼は、このスキルを使ってモンスターを弱体化させ、所属パーティーをS級ランクへと導いてきた。だが、パーティーの仲間は≪反転≫スキルの重要性を理解せず、「魔力が無いうえに他のステータスも凡庸」として彼を追放する。『無能』の烙印を押されたリクトは評価を反転させるべく、同じく無能と呼ばれ追放された者たちとパーティーを組み、魔王討伐に挑む!

 

BookLive!『反転勇者の逆転英雄譚~「無能はいらん」と追放されたので
無能だけでパーティー組んで魔王を討伐します~

 

 

 

 

――――この度は受賞おめでとうございます! 今回のコミカライズで作家デビューとなる夜恵先生ですが、第10回ネット小説大賞にご応募されたきっかけを教えてください。

夜恵先生

ありがとうございます! ほかの公募の結果発表まで時間が空いていたので、小説投稿サイトの大手である『小説家になろう』に投稿を始めたところ、トップページのバナーでたまたま目に入ったことがきっかけです。

作品自体も完結したタイミングだったので、応募するのはタダだし、ダメもとで応募しました。

 

――――小説を書き始めたきっかけを教えてください。

夜恵先生

後ろ向きな理由ではありますが、就職したくなかったからです(笑)! 大学二年生のときに「あと数年で働かないといけないのか。嫌だな」なんて思っていて、好きなことを仕事にしたいと思いました。

ゲームやアニメ制作の仕事を……と考えた時期もあったのですがすぐに挫折しまして、そこで「絵は描けないけど漫画も好きだな」と気づき、ラノベ作家か漫画原作者を目指して小説を書き始めました。

小説を書けばゲームになるかもしれないし、漫画になるかもしれないし、アニメになる可能性もある。あ、小説って一番自由なのでは?と思いました。

 

 ――――それで小説に挑戦してみて、受賞となったのですね!

夜恵先生

まさか受賞するとは思いませんでした。結局は就職もしたんですけど、小説を書くのは自分に合っていて楽しかったです。今でもその気持ちは変わってなくて、時間さえあればずっと書いていたいくらいです。

 

 ――――今は、新社会人と作家生活の同時スタートをしているのですよね。就職をされた今後も、作家活動は続けていかれるんですか?

夜恵先生

そうですね、今後も作家としてチャレンジャーでありたいです。今回のコミカライズはすでに原作が完結していて、推敲作業などもなくコミックの確認作業がメインのため、また新しい作品を書いて書籍化できたらと思っています。第11回にも間に合えば応募したいですね。

 

 ――――それは嬉しいです、お待ちしております! 受賞した作品は、「ざまぁ」「追放もの」と『小説家になろう』の人気要素が含まれていますが、普段から『小説家になろう』は読まれていたのですか?

夜恵先生

いえ、実はネット小説は全然読んでなくて……『小説家になろう』に投稿を始めた当初も、PV数がまったく増えませんでした。まずは読んでもらいたいと思い、書いているジャンルが悪いのか、物語がつまらないのか、そもそも小説にすらなってないのかといった原因がよく分からなくて。

そこで自分に必要なものが何かを知るために、当時の一番読者が多くて大ブームだった追放ものを書きました。

 

 ――――なるほど……! それで途中から書く作品の方向性を変更されたんですね。

夜恵先生

そうですね。流行のジャンルに自分の好きな要素を入れる、というかたちで書いていきました。すると、やっぱりPV数も全然違いましたね。

 

 ――――本作の一番の魅力は、『反転』というユニークスキルを活用する主人公の戦闘スタイルだと思います! モンスターのステータスを反転して弱体化させるという、この反転スキルの着想ってどこからきたのでしょうか?

夜恵先生

『反転』スキルは、大学生のときに友達と集まって大富豪をやっているときに閃きました。大富豪で革命が起こると、最弱の3のカードが一番強くなる。これを能力にしたら面白そうだなって思ったんです。

 

貸した魔力は【リボ払い】で強制徴収

 

 ――――おお、若い先生ならではのエピソードですね! スキルと言えば、自分の能力を下げるスキルを持っているヒロインのフェンリィは、スキルを発揮した途端にアホの子になっちゃうのが可愛いです(笑)。 

夜恵先生

ありがとうございます。主人公の『反転』スキルから逆算していったのですが、強くなる前にいったんアホになるシーンを挟むのはこだわりです(笑)。漫画でもそのシーンを楽しんで頂けると嬉しいです!

 

 ――――キャラクターの魅力を先生から教えてください!

夜恵先生

主人公のリクトは、人間味があるキャラクターを意識しました。仲間は大事にするし、悪に対してはちゃんと怒るし、でもたまに失敗することもあるという、人間らしさが魅力だと思います。

ヒロインのフェンリィは普段と戦闘時のギャップです。基本的にニコニコしているんですけど、たまにシリアスな雰囲気を見せてくれるので注目してほしいです。私自身も執筆しながら、フェンリィが次に何をするのか読めずに振り回されていました。書いていて楽しいキャラです!

 

 ――――4月26日に、COMICアークさんからコミック配信がスタートしました。コミカライズ版を初めて読んだ時の感想を教えてください!

夜恵先生

とにかく感動しました。画面に向かって何度、「ありがとうございます」と頭を下げたか分かりません。
クオリティの高さもそうなのですが、今まで頑張って書いてきてよかったな……とこれまでの努力が報われたような思いになりました。

内容に関しては毎回、指摘するところが無なくらい完璧に仕上げていただいて感謝が尽きません。

 

 ――――小説版と漫画版のストーリーの違いはありますか?

夜恵先生

大筋は同じですが、小説版には無いシーンや漫画映えする動きなどをうまくアレンジしてくださっています。

原作のエピソードを漫画としてどのように補完してくださるのか、私も毎回楽しみです。

 

 ――――この作品を通して先生が描きたかったもの、テーマがあれば教えてください!

夜恵先生

テーマとしては、「たった一言、たった一つの出会いがきっかけで、世界がガラっと変わる」という前向きな気持ちですね。

主人公のスキルを『反転』にすると決めたとき、単語をどんどん書き出していって反転していったんです。そのとき、「幸福」の反対は「不幸」だなと思って。
ヒロインたちは過去に辛い思いをしていますが、それ以上の明るい未来が待っている話を書こうと思いました。

 

 ――――なるほど、それで戦闘場面だけではなく、「反転」というキーワードが物語全体に散りばめられているんですね! 最後にファンの皆さんや、本作が気になっている方に向けてのメッセージがあればお願いします!

夜恵先生

まずはランキングにもほとんど縁のなかった本作を見つけて、読んでくださった皆様、本当にありがとうございました。

そしてこれから読んでくださる皆様、本作ではヒロインもがっつり戦うところが魅力の一つです。ヒロインの表情や漫画ならではのアクションにぜひ注目してください。
私も一読者として楽しみにしていますので、一緒に応援していただけると嬉しいです!

 

受賞作品についてのコメント、ありがとうございました! 続いては小説の書き方についてのインタビューです♪

 


 

 

――――小説は普段、どのようなツールで書かれていますか? また、執筆環境も教えてください!

夜恵先生

応募先によって、Wordで縦書きするときもあれば、横書きするときもあります。なろうでは横。新人賞は縦。集中する時はBGMを流してコーヒーを飲みながら書くと捗ります。

 

――――執筆前に、プロットを作成されていますか?

夜恵先生

まずは物語全体の最初と最後、それから全部で何章ぐらいになりそうか……という大枠だけを決めます。

次に「各章で何をするか」最初と最後だけを決め、各話を書き始める段階で、細かい内容を箇条書きにしていきます。あとは書きながら先々の流れを考えて、プロットに肉付けをしていきます。
かなり行き当たりばったりですね(笑)。本当はもう少し計算して書きたいです。

 

――――物語を作り始めるときに、意識したことはありますか?

夜恵先生

無料で読めるネット連載という形式だと、1話で読むのをやめられてしまうケースもあります。10話から面白くなるんだけど……と思っていても、それは読者には関係ありません。

だからこそ、自分の作品を漫画やアニメに置き換えながら、客観的に「一話切りされてしまうかどうか」を考えて書くようにしていました。

 

――――1日の執筆ペースはどのくらいでしょうか?

夜恵先生

3000字くらいですかね。書けるときは8000字~1万字くらいです。とにかく完成させることが大事だと思っているので、納得いく文章が書けなくても「後で考えればいいや」と思ってどんどん先まで書きます。

1話書き終わるまでは読み返さない、というのを意識していますね。

 

――――たしかに筆が早い先生は、詰まりそうになっても一旦は書き進めていく傾向があるように思います……!

夜恵先生

そうですね、読み返したら意外といいという時もあるので(逆もありますけど)。聞いた話ですがクリスマスツリーのイメージで、まずはツリーの幹となる物語の大筋を書いていって、あとから飾りつけとして、情景描写などを書き足していくイメージですね。

 

――――執筆に詰まったときの対処法を教えてください。

夜恵先生

モチベーションで言うと、本屋のライトノベルコーナーに行くのがおすすめです。表紙を眺めているだけで「自分も書籍化したい!」という意欲が湧いてきます。

もし包装されてないお店だったらあとがきを読むのも良いと思います。特にデビュー作のものだと「自分もやってやるぞ!」って気持ちになれます。あとは、こういう受賞者インタビューの記事を読み漁るのも効果的です。

技術面で言うと、書けない日は潔く書くのをやめてアニメを見たり、好きな小説を読んだりしてリフレッシュします。あとは夜に音楽を流しながら散歩していると、物語の続きを思いついたりしますね。

 

――――そのほか、作家志望の方々や、次回のネット小説大賞応募者にアドバイスがあればいただけますと嬉しいです。

夜恵先生

ネット小説大賞はポイントに関係なく受賞できるので、自分のベストを尽くして書き上げたものはどんどん応募しましょう。

これは決して言わされているわけではなく、本当です!素晴らしい賞です!もし書き始めたばかりで自分には無理かなと思っている方や、もう筆を折ろうかなと悩んでいる方がいましたら、もう一作だけ好きなものを思いっきり書いてみてください。

PVがほとんど付かない方も、ランキングとは無縁の方も、書き続ける限りチャンスはゼロではありません。私も正直受賞するまではポイント高くないと無理だと思っていましたが間違いでした。

意外と現実には夢があるのかもしれません。狭き門ですがチャンスを掴めるように頑張ってください。私も頑張ります!

 

夜恵先生、インタビューをありがとうございました!

反転勇者の逆転英雄譚~「無能はいらん」と追放されたので無能だけでパーティー組んで魔王を討伐します~』を、ぜひチェックしてみてください!

 

 

 

 

    

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