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【まさキチ先生】受賞者インタビュー『貸した魔力は【リボ払い】で強制徴収』|作品の見どころ・小説の書き方

(C)まさキチ (C)飯島しんごう/フレックスコミックス

 

第10回ネット小説大賞において『貸した魔力は【リボ払い】で強制徴収~用済みとパーティー追放された俺は、可愛いサポート妖精と一緒に取り立てた魔力を運用して最強を目指す。』で
受賞となったまさキチ先生に独占インタビューを敢行!

前半では『受賞作の見どころ』を、後半では『小説を書くときのコツ』などを伺いました!
ぜひ最後まで読んでみてください♪

    

受賞作品のご紹介

若手有力パーティー『断空の剣』に所属するレント。彼はユニークギフト《魔蔵庫》で魔力を【貸与】し、メンバーをサポートしてきた。だが、他のメンバーたちが急成長する一方で、彼の成長は取り残されていた。仲間からお荷物扱いされていたレントは、無情にも『断空の剣』パーティーから追放されてしまう。今までの献身を踏みにじる仕打ちに憤るレント。その怒りによって彼のギフトは《無限の魔蔵庫》へと進化を遂げた。同時に出現したサポート妖精エムピーに導かれたレントは、今までパーティーのメンバーに貸した魔力の取り立てを決意する!

BookLive!『貸した魔力は【リボ払い】で強制徴収~用済みとパーティー追放された俺は、
可愛いサポート妖精と一緒に取り立てた魔力を運用して最強を目指す。

 

 

 

 

――――この度は受賞おめでとうございます! いろんなコンテストで受賞されているまさキチ先生ですが、これまでの執筆活動の経緯を教えていただけると嬉しいです。

まさキチ先生

8年ほど前から趣味で書いてはいましたが、2年半前からランキングを意識するようになりました。

ランキングを見ると100位に入っている作品のほとんどがすでにデビューしている作家さんの作品、もしくは、書籍化(予定)作品なんですよね。なので、これは本気で書かないと勝てないなと思いました。
そこで徹底的に分析し、これならイケると思ってから書き始めて、無事ランキング入りし、受賞、商業化とトントン拍子で進みました。

 

――――本作が入賞したと知ったとき、どのようなお気持ちでしたか?

まさキチ先生

本作は商業化できると確信していた作品でしたが、何度かコンテストで落選していたので、無事に受賞できてホッとしました。

 

 

 ――――タイトルからして「面白そう!」って期待が膨らむ作品ですよね! リボ払いの着想はどこからきたのでしょうか?

まさキチ先生

本当に、いきなり降ってきたんですよね。「追放ざまぁ」を書こうと決めていて、パンチがあるネタを2~3ヵ月くらい考え続けていたときでした。

 

 ――――『リボ払い』のスキルを持っている主人公が、貸した魔力を取り立てていくストーリー。本作のキャラクターへのこだわりを教えてください!

まさキチ先生

本作はとにかく「リボ払いは怖い」ということを伝えたかった物語なので、「ざまぁ」される側にこだわりました。借金まみれになる人、詐欺にあう人は3パターンあると思っています。

(1)自分に根拠のない自信を持っている。 
(2)自分は賢い、自分の考えは正しいと思っているけど間違っている。 
(3)何にも考えてなくて勧められるままに従ってしまう。 

こうした人物像を、主人公からリボ払いで取り立てられてしまう3人組(ガイ、ミサ、エル)に当てはめて書いています。

 

 ――――なるほど、借金沼にはまりそうなキャラクターから逆算したんですね! 取り立てをしていく主人公のレントと、彼とパーティを組むヒロイン・リンカはどうでしょうか?

まさキチ先生

レントはある意味、可哀想な役割なんですよね。金貸しって嫌われるじゃないですか……(笑)。でも、この物語を書くうえでは、主人公は厳しい取り立てをしなければならない。かといって主人公として、ただの嫌なやつにはならないよう塩梅にも気を使いました。

リンカはポニテ侍を書きたくて登場させたキャラクターです(笑)。彼女の活躍は、第2部から期待していただけると嬉しいです!

 

 ――――4月26日からコミカライズ配信が『COMICアーク』さんからスタートしました。先生が初めて漫画をご覧になったときの感想を教えてください!

まさキチ先生

いやあ、「すごい!」しかないです……(笑)!

漫画担当の飯島先生が、ラフ時点でキャラだけでなくシーンまで書いてくださっていて。こちらが火傷しそうなくらいの熱量を感じて、「この先生しかいない!」と思いました。

 

 

 ――――素敵な先生と巡り会えたのですね! コミカライズ版の魅力を教えてください。

まさキチ先生

本筋は小説版とほぼ同じですが、漫画の演出のおかげでより感情に訴える力があると思います!

本作で一番伝えたかったのは「リボ払いって怖いんだよ」ということなのですが、リボ払いの大変さも、絵になったことでキャラクターの表情などからよりよく伝わると思います。

 

 ――――教訓的な物語でもあるんですね……! たしかに本作を読んで「リボ払いってこういう仕組みなんだ」と楽しく理解することができました。 

まさキチ先生

そう言っていただけたら嬉しいです。物語には教訓を含んでいる側面があると思っていて、例えば『舌切り雀』は「欲張っちゃだめですよ」という教訓の話ですよね。
教訓を感情に訴えかけられる次元で伝えられるのが、物語ならではの良さですよね。

 

 ――――主人公が地獄の取り立てをするほど物語は面白くなるし、リボ払いの怖さも読者に伝わるわけですね。

まさキチ先生

ええ。本作を読んだ読者の方には、「リボ払いは怖いんだよ」ということだけでも覚えていただければ嬉しいです(笑)!

 

受賞作品についてのコメント、ありがとうございました! 続いては小説の書き方についてのインタビューです♪

 


 

 

――――小説はどんなツールで書かれていますか?また、小説を書くときに便利なもの、集中するための環境づくりなどで、オススメがあれば教えてください。

まさキチ先生

執筆・編集は『Visual Studio Code(VS Code)』、それ以外のすべては『Notion』です。

『VS Code』は編集に必要な機能がほとんどそろっています。特に便利なのが「ワークスペース」機能です。
例えるなら、英語の勉強のあとに数学の勉強をするとき、まず英語の参考書やノートを一度片付けて、数学の参考書やノートを取り出して……という作業が必要になりますよね。それで、次に英語をやるときはもう一度、テキストやらを広げると。でも、机が複数あったら、科目ごとに開きっぱなしにできますよね。

『VS Code』の「ワークスペース」はそんな感じの機能です。他の作品に移るのに、机を片付ける必要ないし、次に再開するときも前回の続きからできるんです。いちいち「このファイルを開いて~」とする必要がなくて、どの作品でも5秒で書き始められます。

『Notion』はオールインワンアプリと言われるだけあって、なんでもできます。メモ、ToDoリスト、リマインダー、工程管理、プロット作り、アウトラインプロセッサ、設定集、スプレッドシートなどなど、『Notion』ひとつで完結できます。

どちらも慣れるまでは時間がかかりますが、無料なので試す価値はあると思います。

 

――――執筆に詰まって書けなくなってしまったことはありますか?

まさキチ先生

1つの作品が詰まったら他の作品を書くようにしています。詰まった作品も、時間を空けたら無意識のうちに頭が整理されて書けるようになっているので、詰まるという状態を作らないようにしてます。

 

――――執筆前に、プロットを作成されていますか?

まさキチ先生

プロットは作成しますが、どんな項目を埋めていくかは作品によります。いわゆる雛型を作ってわかるところから埋めていき、「書き始められるな」と思った段階で執筆に入ります。タイトルやログライン、あらすじ、構成……それらが矛盾しないように書きたいシーンから書いています。

 

――――書きたいシーンから書くとなると、書き進めているうちに矛盾が生じてきませんか?

まさキチ先生

矛盾は出てきますね(笑)! でも、矛盾を解決するために言い訳として考えた設定で、より作品が面白くなることも多いので矛盾はどんどん出てきていいと思っています!

 

――――設定を加えることで深みが出るんですね! 先生は、1日にどれくらいの時間を、執筆にあてているのでしょうか?

まさキチ先生

1日4時間以上は書かないと決めています。

理由は2つあって、1つは「○時間以上やりなさい」と言われると創作が嫌いになってしまうと思うので、下限ではなく上限を決めています。「ゲームは1日1時間!」と一緒で、上限がある方が楽しいし、集中できます。

もう1つは、書かない時間を作るためですね。書かない時間でネタを考えたり、頭を整理するようにしていて、それを心掛けるようになってから待ち合わせで遅刻されるのが嫌じゃなくなりましたね。「もっと遅れてくれてもいいのに……」と思うこともあります(笑)。

 

――――なるほど……! ちなみに、4時間の内訳を伺っても良いでしょうか?

まさキチ先生

最初の2時間で執筆し、残りの2時間を推敲・構想にあてます。

執筆時は30分1,000字を最低ラインとして、書けないときは他の作品を書きます。なので、1日4,000~5,000字を書いています。

執筆するときは、ひたすら速く書き進めます。執筆の段階では調べない、考えない、直さない。これらは推敲の段階に回します。例えば「言う」にも「口にする」「話す」といろいろな表現がありますが、いったんは「言った」で書き進めるんです。

 

――――どんどん先に進めることが、先生の執筆スピードの秘訣なんですね……!そのほか、作家志望の方々や、次回のネット小説大賞応募者にアドバイスがあればいただけますと嬉しいです。

まさキチ先生

コンテストってお見合いのようなもので、縁やタイミングだと思います。3年かかってやっと受賞したとか、同じコンテストで去年はダメだったけど今年は受賞した……というのもよくある話で、落ちたとしても「はい、次」くらいに思えば良いと思います。

編集者さんが100人いたら、99人にスルーされても1人に刺されば書籍化の道が開けます。そんな、誰かに深く刺さる作品を書くのが大切だと思います。

 

まさキチ先生、インタビューをありがとうございました!

貸した魔力は【リボ払い】で強制徴収~用済みとパーティー追放された俺は、可愛いサポート妖精と一緒に取り立てた魔力を運用して最強を目指す。』を、ぜひチェックしてみてください!

 

 

 

 

    

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