ストーリー

「雪が白く見える理由を知っていますか?」

 犬神使いの家系に生まれながらも霊力の低い私の側には、白い犬神の『雪尾』がいる。
白いしっぽだけしか見えない、私の犬神だ。
ある日、雪尾の姿を見ることができる青年と出会い……。
 見えない私と見える彼、そして、白いしっぽ。
二人と一匹の、少し不思議で温かな日常を描いたショートストーリー集。

私(白瀬未緒)

犬神『雪尾』の主である女性。
霊力が低く、犬神の姿が見えない。図書館職員。

高階恵

雪尾の姿を見ることができる青年。
喫茶シリウスでバイトしている。大学生。

雪尾

白い大きな犬の姿をした犬神。
『私』にはしっぽだけしか見えない。牛乳が好き。

著者プロフィール

クロサキリク

 長崎生まれ、宮崎育ちの九州人。
 2016年、『白いしっぽと私の日常』が第四回ネット小説大賞にて入賞し、2017年にデビュー。

著者コメント

見えない犬神を連れた女性が、喫茶店でミルクティーに添えられたミルクを犬神にあげる――。 そんな少し不思議な光景を描いた一本の短編から、この物語は生まれました。 犬神の白いしっぽだけしか『見えない』私と、犬神の姿が『見える』青年。二人の異なる視点で、物語は綴られます。 彼らの視界の中心にいるのは、牛乳が好きでホラー映画が苦手、感情豊かにしっぽを振る犬神です。 二人と一匹の(たまに猫又や幽霊なども交えた)何気ない日常の物語を、ほっこりとお楽しみいただければ幸いです。 本のお供にはぜひとも、ホットミルクやミルクティー、温かい飲み物で。

白いしっぽと私の日常

見えない私と見える彼、そして、白いしっぽ。
二人と一匹の、少し不思議で温かな日常