この度は、クラウドゲート株式会社が運営する『第13回ネット小説大賞』にご応募・ご参加いただき誠にありがとうございました。
今回は25,537作品ものご応募をいただき、そのなかから72作品が受賞となりました。
受賞となった皆様、おめでとうございます!
魔法が息づく世界でシルドは、幼い頃から司書を夢見ていた。しかし、彼は貴族であり次期領主。所詮、夢は夢だった──。が、十五歳の誕生日に前世の記憶がよみがえる。それは司書を目指しながらも、果たせずに死んだ結末だった。自分の運命に諦めかけていたシルドであったが、前世の記憶に導かれ、再び司書になることを決意する。
目指すは、魔法王国の都にあると噂される『アズール図書館の司書』。世界最大の図書館ながら、ほぼ全ての情報を非公開としており、司書の存在は幻想の類と称されている。それでも夢を叶えるため、彼は決意を胸に王都へ赴いた……。失われたとされし古代魔法を携えて、世界最高峰の司書へと歩み行く、若き青年の異世界物語。
目の前に広がる壮大な世界へ飛び込みたくなる、こんなファンタジーを待っていました! 司書のいないとされる世界最大の「アズール図書館」の司書を目指す少年。失われたとされる古代魔法を扱う彼の前には、夢を叶えるための三つの試練が立ちはだかります。王立学校に入学して出会った癖の強い仲間たちとともに試練に挑み、謎が明かされてゆきーー? 読者を離さない抜群のテンポ感に、魅力的なキャラクターたち、胸踊る世界観、手に汗握る魔法バトルとアクション。一度読み始めたら続きを読まずにいられないファンタジー小説の傑作です。
高校生の鷹取《たかとり》 飛翔《つばさ》はある日の登校中突如として異世界に落とされた……。
それから10年、異世界で名前を変え堅実な冒険者人生を送っていた。
だがとある日の依頼帰りある噂を相棒より聞かされる。
「どうやら聖王国《ウチの国》が勇者召喚をしたらしいぞ」
その場は関係無いと思っていたが、酒場の帰りに奴隷となったクラスメイトの女子を見かける。
助け出す主人公、その瞬間、運命が大きく変わって行くのだった。
ハーレム要素があるのに主人公ホウショウが女性にガツガツしておらず、その一方で性的なことを否定するわけじゃない現実的な思考を併せ持っていて独特の読み味がしました。そのバランスで描写されるホウショウのキャラの良さが読んでいて楽しかったです。遅れて召喚されたクラスメイト達やアークフォート聖王国にいる人たちの接し方からも人柄の良さが見えて好感が持てました。
勇者ジェイナスの死から始まる、盗賊ホークと拳士メイの戦い。
決まれば必殺の特殊能力を持つホークと、少女ながら怪物じみた身体能力を誇るメイは、世界を救うためにジェイナスを復活させる逃亡の旅を開始する。
魔王軍に追われながら母国を目指す旅の中で、ホークは多くの仲間と出会い、別れ、そして世界の真実を知る。
負けて始まる冒険譚、開幕!
『人類の希望の戦死』による敗走から始まる冒険とピンチの連続、魔剣とそれを担う勇者というカッコいい設定、癖も魅力も持ち合わせる仲間との出会い、圧倒的な力を持つ敵とのバトル、最初は心許ない力しか持たない主人公の成長とジャイアントキリングのカタルシス……次々とぶつけられる『面白い!』の連続を、良いテンポでグイグイ読み進められる非常に楽しい作品でした。世界に漂う重苦しい空気を、主人公ホークとヒロインたちのもたらす希望が打ち破ってゆく『前向きな後退劇』を、ぜひお楽しみください!
テイマーであり冒険者である主人公の人間性が魅力的な作品でした。通常、外れスキルの鑑定が出て家族から冷遇されると復讐を誓ったり、物語の展開としてざまぁの要素が入ってくるのですが、本作品は“生きているだけで儲けもの、生きてることがお陰様”という謙虚な姿勢とたゆまぬ努力で状況を良くしていく展開となっており、その部分にオリジナリティと大きな魅力を感じました。また、従魔として最下層のワームやスライムをテイムするという発想がとても素晴らしかったです。シャベルがフォレストビッグワームやスライムに対して愛情を注ぎ「家族」としてかかわっていく様子、そこからスタンピードが起き、今度はフォレストビッグワームやスライムが家族であるシャベルの役に立とうと頑張る姿に心を打たれました。
自分が悪役令嬢だと気付いたロクサーヌが、最推しであるラスボス・シルヴァンの雑用係になり、ひたすら“愛でる”という関係性が非常にユニーク。 世間からは「慈愛の天使」と称されるほど外面が良い一方、ヒロインに対しては「ラスボス」としての素を見せるという二面性あるシルヴァンのキャラクター性は、男女問わず編集部員から好印象でした。 そして冷酷で腹黒いシルヴァンも、徐々にロクサーヌへの態度に変化が……!?
主人公シェーナが、とんでもなく口が悪くキレキレで、新しいヒロインの誕生を確信しました。ずっと読んでいたくなる爽快さで、あっぱれです。 奴隷狩りに捕まった日本人の少女が銃で異世界をサバイブし、腐った世の中を撃ち抜いていく物語が、リアリティをもって描かれており驚愕しました。 冒頭から怒涛の展開作り、武器の緻密な描写、世界観の作り込み等が凄まじく、独創的な異世界ガールズ・ガンアクションでした。 少女(?)達が、銃を手に一緒に生き抜いていく姿は、絶対に応援したくなる。アクション好き必読作です。
転生先は死亡予定のモブ皇妃。しかも小説の中のドアマットヒロインの毒親…というありそうでなかった設定感に引き込まれた今作。冷酷無慈悲な皇帝ヒーローから押し倒された瞬間に前世を思い出すというキャッチーな冒頭に心を掴まれました。「死亡フラグを回避せねば…でもそんなことより娘が愛おしい!」という皇妃エメリアの母性に共感し、娘を愛でる彼女が無自覚に引き寄せる愛の連鎖が心地よい作品です。ハードな世界への転生と愛に溢れた展開のギャップが魅力的で、連載中という状況ながら読者の皆様から寄せられている高評価も納得。モブだけど、きっとモブでは終われないエメリアの活躍に期待せずにはいられません!
剣に誇りを持ち、自己の研鑽を常に怠らず、婚約破棄されても自己を保つ真っ直ぐなリリーの姿にまず惹かれました。突如として決まった辺境伯との新たな婚約、天然な性格故に少しずつ縮まっていく距離感。そのもどかしさの中で、父を応援する継子・コルネリアも実に愛おしいです。「この家族の幸せな様子をもっと見たい!」と思わせてくれる作品です!
最後にお手紙を書いたのはいつですか? この作品を読み、久しぶりにお手紙を書いてみようと思いました。 誰かの代わりにお手紙をしたためる主人公リゼット、便箋にインク、話題の取り入れ方まで、一通一通のお手紙に真摯に誠実に向き合うその姿は読んでいるだけで心が温まります。 不遇な状況にありながらも、明るくまっすぐなリゼットがとても魅力的です! あたたかなコミュニケーションを思い出させてくれる、宝物のような作品です。
異世界スローライフの王道を極めたような作品。実力を隠してゆったり気ままに生きようとするものの持ち前の面倒見の良さから厄介事に巻き込まれがちな主人公と、彼を取り巻く魅力的なヒロインたちが織り成す物語は一読の価値ありです。
SFの世界に転生した主人公が、超常の存在として地球にダンジョンを作るという独創性のある展開に魅力を感じました。一人一人が主人公かと思う程、多彩で魅力のあるキャラクターたちが織りなす、笑いあり、涙ありの群像劇も特徴の一つですが、特にSF的な複雑性のある設定をローファンタジーとして噛み砕くことで、重厚な世界観とライトな現代ファンタジーが両立できている構成力にとてもセンスを感じたため、本作を選ばせていただきました。
「魔王討伐が果たされたはずの世界で、実は魔王が勇者に成りすましていた」というつかみがバッチリ! 主人公・フィミアが勇者・ライナスの封印を解く序章まで、物語世界への適切な入口となっており、一息に読み進めてしまうこと請け合いです。 フィミア&ライナスは幼馴染で婚姻済でもあるので、親友のような、恋人のような、家族のような、居心地の良いバディ感で、もっと見たいと思わせる素敵な関係性。 ファンタジー冒険譚としてのワクワク感や、魔王の真実に迫っていく、といった物語の骨子もしっかり楽しめる作品です。
「勇者が家に入ってきて勝手にツボを壊していった」というクレームなど、サポートセンター業務あるある×ファンタジーあるあるから始まる物語の切り口に独自性があり、ウェブ版は短編であるものの、このお話の続きが読みたい! と想像が膨らみました。 キャラクターのディテールがしっかりしているので、異世界サポートセンターで働いている人たちや、相談事を持ち込む人たち、作品世界に生きる人々の実在性を感じられ、お仕事ドタバタ劇というジャンルとの相性◎。 サポートセンターで働く主人公・スズキさんと、過去にスズキさんが業務のなかで助け、ある事件で再会することになる年下勇者、ふたりの関係性の進展にも期待です!
重厚で苛烈な、断罪と贖罪の物語です。話は単なる婚約破棄に留まらず、数世代に渡る国家間の政争にまで広がります。主人公アンジェリカ側の強い覚悟と、それと対照的な、王太子側の考えの甘さ。彼らそれぞれを待ち受ける結末とは――。深く造形された多くのキャラクターが織りなす人間模様が秀逸で、その読み応えに強く驚きました。最後の見事なタイトル回収まで、ぜひお楽しみください。
悪役騎士に転生した主人公と悪役令嬢に転生したヒロインを中心に物語は回る、転生者×転生者の国づくりストーリー。基本は優秀ながらもどこか抜けているヒロインをはじめ、さまざまな属性をもったキャラクターたちがにぎやかな彩りを加えており、「キャラモノ」としても秀逸です。
一途で強かな自立したヒロインとして描かれる主人公・ディアナが、キャラクターとして大変好印象でまず惹かれます。 双子の妹に刺されて生涯を閉じたところから巻き戻ったディアナが、二度目の人生では初恋の人である王弟・アランと想い合っていく様子が丁寧に描写されており、ロマンスファンタジーとしてのうまみを存分に味わえるはず。 年の差カップルや、イケオジがお好きな方には間違いなく刺さる作品です!
主人公朔太郎の人の好さに心を打たれました。下心でなく、「放置されている子どもを放っておきたくない」「たとえ逮捕されたとしても己の信念に従ったことだから罰を受ける」と非常に真っ当でありつつも、迷わずに救助に動いたところ。普通だったら明らかな厄介ごとに二の足を踏んでしまう人も多いだろうに、そこの迷いのなさがまず素直に「人としてかっこいいな…」と感じました。そんな朔太郎だからこそ、読んでもまったく引っかかりを覚えることなく、さらさらとその先の展開も読み進めることができたのと、女性読者も読める内容だと思いました。
主人公の心の揺れ動きの描写がとても印象に残りました。繊細な描写だけでなく、物語の先を期待させるストーリーテリングも秀逸です。主人公達を思わず応援したくなる作品です。
一度読み始めると、止め時が分からなくなります! 問答無用で死刑、という圧倒的なマイナススタートの導入から目が離せませんでした。そのおかげで主人公の能力がいかに規格外であるかの比喩にもなっているという構図が秀逸です。なによりも、チートと呼ぶにはあまりに人を殺し過ぎる災悪の能力を、どうにか押し殺して「普通の冒険者として生きたい」という、ブレない軸を持った主人公に惹かれました。普通の冒険者としてレベルアップしていく様を楽しみつつも、その後ろでずっと「死霊術師の能力を発現させなければならない瞬間、意図せず暴発する瞬間」がいつ来るのか、のワクワク感が止まりません。主人公にチート能力を使ってほしいと思える唯一性がありました。
ゲームものといわれる有名作品は数々ありますが、この作品もその中に数えられるポテンシャルを感じました。数多いキャラクターの描き分けにも筆力を感じて選出しました。
何よりもまず、キャラクターたちのビジュアルがSSRすぎます! ヤンデレだらけの乙女ゲームに転生してしまった主人公・ルナ。 ゲームの攻略対象として黒髪紅目の屈強な黒騎士・ヴィクターに、泣きぼくろが印象的な銀髪タレ目の魔導士・リロイが登場するのですが、読み始めてすぐに魅力あふれる彼らをぜひイラストで見たくなりました。 しかも、ヴィクターはクールでかっこいいのに闇深いトラウマ持ちで、リロイは美しい見た目とは裏腹に腹黒サイコパスだなんて、ヤンデレ好きの淑女の皆さま(紳士さまも)には堪らない設定ではないでしょうか? ですが、二人のどちらのルートに入ってもメリーバッドエンドで死亡不可避。 生き残るため難易度MAXのトゥルーエンドを目指すルナですが、それはすなわち最強の聖女様として君臨するということで──!? まるで乙女ゲームを攻略しているかのように楽しめる本作、最後もまさかの展開に驚かされます。 今はまだ短編作品ですが、長編化に伴ってここから更にパワーアップされた逆ハーレム×執着ロマンスファンタジーがどのようなエンドを迎えるのか…今から楽しみです!
ダンジョンでドロップしたアイテムとアイテムとを掛け合わせて未知のアイテムを作り出す、そのアイテムたちを掛け合わせてよりグレードアップしたアイテムを……という、純粋ながら強烈なロマンに心躍ります。1日1回しか使えない、主人公ユニスの「融合スキル」。仲間との絆の深まりや、冒険の丁寧な描写も魅力的です。ゲームを一歩ずつ攻略していくようなワクワク感を、ぜひ本作で味わってください!
レスタール辺境伯領の次期当主という充分に恵まれた立場でありながらもモテないという、フォーディルトの描き方に強く惹かれた作品でした。通常、辺境伯領の次期当主で話しやすく、公爵令嬢や有力な権力者との交友関係もあるという状態であれば、無双やハーレムものとして主人公の強さやいかに女性から好かれてイチャイチャしていくかを描きがちですが、そういう展開にはならず、「嫁探しがしたい!」という願いに反していろいろなトラブルに見舞われていく……ちょっとヘタレな主人公像として描いていく部分にオリジナリティと親しみを感じました。
ハードな主人公の虐げられシーンから始まる冒頭は「この主人公に絶対幸せになってほしい」という物語への没入感を高めており、一気に世界観に引き込まれました! その後、個性豊かなキャラクターと共に、徐々に広い世界を知って前を向く主人公の成長を終始保護者のような感覚で見届けました。勢いやテンポの良さで魅せる作品というよりは、リアルで丁寧な時間経過を体感できることがこの作品の良さのひとつです。またゆったりとした世界観の中でも続きを読ませたいと思わせるのは、情景や感情描写などの表現力の高さがあってこそだと思います。最後は必ず温かい気持ちになれる、そんな一作です。
洗濯していた自身のショーツがハイスペスパダリ騎士ヴィクターに拾われるというテンポのいいコメディ展開で一気に物語に惹き込まれました。干物女というと「がさつ」「だらしない」という面がクローズアップされやすいのですが。本作は「普段は優秀で誰に対しても優しい頑張り屋さんがふと見せたゆるっとした隙」という風に描かれていて、それがバレた時に慌てるセシリアがとても可愛かったです。気を許した相手には素の自分を見せて甘えるのも素敵で、拝読していてキュンキュンしました。
かつて読んだことがない異世界令嬢×弁論バトル×学園裁判コメディ!読めば「なんじゃこりゃ」と思うと同時に、爆笑できること間違いなしの一作です。前世が冤罪専門の敏腕弁護士(男・60代)が異世界で令嬢に転生し、冤罪事件を次々と解決していく痛快エンターテインメントです。前世で主人公を慕っていた助手(女・30代)が異世界では王子に転生して、ワトソンのごとく再び主人公を支える名コンビっぷりも含めて楽しめる作品です。
魔法が使えず「無能」と捨てられた転生少女・ユナが、自分の可能性を信じて前向きに冒険の旅に出掛ける、という物語。 ユナが異世界で健気に奮闘していく姿がとにかく可愛く、応援せずにはいられません。 また、戦闘に料理にモノづくりにと大活躍する万能な魔力が開花していく様子は見ていてつい羨ましくなります。 物語の途中で出会い、旅を共にする猫耳獣人・クロネとの掛け合いも微笑ましく、二人が少しずつ心を通わせていく姿に、気づけば読んでるこちらもすっかり癒されてしまいました。 読み終わって「明日はいいことがあるかも!」とつい笑顔を浮かべたくなる、そんな素敵な冒険譚です。 老若男女にお勧めしたい本作。皆さま、ぜひご一読いただけましたら幸いです。
ありふれた悪役令嬢モノとは一線を画す作品。実力をつけて自由気ままに生きる主人公に加えて、単なる舞台装置としてではなく自分を見つめなおして成長する一人の人間として描かれた「ざまぁ」対象たちは必見です。
家族に虐げられ続ける鬱屈とした結婚生活に疲れた主人公が、家を離れて新たな幸せをつかむストーリー。冒頭の辛い日々には胸を締めつけられますが、そことのギャップによってあとの話がより色鮮やかに感じられます。疲れた主人公と年下の青年との穏やかな日々は読者に極上の癒しをもたらしてくれること間違いなしです。「ざまぁ」もしっかりあります。
この国で唯一魔力を持たない主人公ジゼルとこの国最強の魔法使いである公爵家のロランは、古えの定めに従い5ヶ月の間結婚することになった。しかし、ロランにはすでに愛する王女がいて……という形で始まる本作。周囲からはロランと王女の恋を邪魔する「悪女」と呼ばれ、傷つきながらもひたむきにロランのことを想うジゼルの姿がとても健気で、主人公として応援したくなります。次第にロランと打ち解けていくものの、迫りくる5ヶ月の期限。さらに読み進めるうちに広がる重厚な世界観。読者の感情を揺さぶるじれじれとした展開に一度読むと止まらない素敵な作品です。皆様もぜひ書籍でもお手に取っていただければと思います。
近年流行りのホラージャンルの文脈を汲んでいますが、まったく斬新で類型化不可能な、“ホラー的なもの”の新地平。
まるでネット掲示板の名コピペや、大バズりするネットミームのように読者の頭にこびりつき、怖いもの見たさを助長するような不思議な言葉たちを楽しませていただきました。
クセになる不気味な質感が持続する点が秀逸で、共感できるかと思えば急に理外の存在にもみえる語り手・琴浪や、もはや本作のマスコットといえる「なまにく」のキャラクターもユニーク。
そんで よかったことになりました よかったです
交通事故で命を落としたベテラン料理人・宇堂優也。女神から授かったチート能力で、いつでもどこでも厨房を呼び出し、得意の料理を次々と披露していきます。香ばしい焼き鳥の匂いや、ホクホクのじゃがバターなど、食欲をそそる描写はまさしく飯テロ。料理の腕は一流で面倒見も良い主人公と、彼を慕う個性的な仲間たちが織りなす、読めばお腹が空くこと間違いなしの、絶品異世界グルメ物語をぜひご賞味ください。
主人公・アーユイの「国家の暗部を担う“暗殺姫”ながら聖女」という設定的な面白さやキャラクター性が抜群に魅力的な本作。 クールでキュートにカッコイイ、メンタルもフィジカルも最強な女性主人公を嫌いな読者はいないのでは。 聖女としての役目を果たしつつ、たまにみせる“暗殺姫”としてのアクション、騎士隊の副隊長を務める第二王子・ロウエンや侍女のリーレイたちとの旅路がどこに向かうのか目が離せません!
近年人気の高い中華風の世界観を舞台にした作品ですが、その中でも世界のイメージ構築が素晴らしく、 読んでいると後宮の生活や町の人々の様子が生き生きと浮かんできます。 また、主人公二人の人物造形も、怪奇ものが大好きな王弟殿下&その王弟に拾われた霊感のある少年と、 設定を読むだけでもこれは面白そう!と感じる良いコンビです。 ホラーと謎解き(裏事情)の塩梅も良く、中華風ホラーバディとして珠玉の作品だと思います。
過酷な世界で力を求め成り上がっていくという王道的な面白さと、寿命と引き換えに「蟲」を身体に宿すことで魔力を得られるという独自の世界設定が魅力的な物語。主人公が命の代償を背負いながらも、その力を使いどう運命を覆していくのか。常に先が気になってしまう物語の構成力が素晴らしいです。しかしこの作品、それだけではありません。激カワなペンギンとの異色コンビで繰り広げられるアクション全開のバディバトルも魅力の一つ。しかもこのペンギン、ぽてっとしたフォルムの可愛さとは反対に、敵の装甲を容易く切り裂く翼を持つ強者。可愛くて強い!そんなペンギンに、きっと読み手の心は鷲掴みにされるはず。もっと彼らの冒険を見てみたい、そんな気持ちを込めて選出した作品です。
「いってらっしゃい。道中ご安全に」
スキル【見送る】を持つ万年平門番のヨハン。旅人の背中を見送るだけのゴミスキルと蔑まれてきたヨハンは、ある日スキルの真価が発揮されるのは心からの祈りを込めたときだと気づきます。この物語はヨハンのスキルにより祝福を付与された旅人たちの、その後の人生や想いを描いたオムニバス形式の作品です。病の妹のために伝説の薬草を求める薬師の少女が、道中の試練を乗り越え再びヨハンのもとを訪れる『薬師リーナと月光草』の章では、その希望と温かさに勇気をもらいました。各キャラクターが生き生きと描かれているからこそ、展開にわくわくし、読んでいてまったく飽きることがありません。旅人たちがどのような人生を歩むのか、ヨハンのスキルが世界にどのような影響を与えるのか――ぜひ書籍版も楽しみにお待ちください。
前世が人間だったため、竜へと転生してからも同族の求愛には心が動かない主人公。「好きなのはヒトだ!」とヒトの世界へ飛び込み、やがて“ヒトナードラゴン”と呼ばれる存在に。人間からは災厄として恐れられる竜でありながら、ヒト族――人間やエルフ――と交流しようとする姿は、異種族交流ファンタジーとして魅力的。さらに、ある事情から竜を憎むエルフと旅路を共にしていくことに。種族の壁を越えて、どのように“絆”を築いていくのか――続きが待ち遠しい作品です。
王太子の婚約者選考によって教室で孤立してしまった侯爵令嬢。その耳に届くのは、普段は目立たない貴族令息たちが教室の隅っこで交わす――「なあ……じょ、女性の胸ってどんな感じなんだろう?」という、思春期ならではのひそひそ話。誰もが心当たりのある“あの頃の黒歴史”を、異世界学園ファンタジーの舞台に巧みに落とし込んだ点が印象的でした。王太子の婚約者選びや貴族たちの学び舎という華やかな背景のなか、描かれるのは学生たちの日常そのもの。今後、侯爵令嬢がどのように彼らと関わり、物語がどんな方向へ転がっていくのか――期待が高まります。思春期の共感と笑いを誘う異世界学園ファンタジーとしてぜひ多くの読者に届いてほしい一作です。
リディアの明るくて前向きでへこたれない性格が好感持て、設定や物語の展開が「お風呂」を基準に据えられていて、ぶれない楽しさを感じました。物語の序盤で「私は、お風呂という文化をもっと広めたいんです。もっと色んな人に知ってもらいたいんです。そのために、公爵家を出てお店を開きたいんです」と精神性を見せつつ物語の方向性と読み方が決まるのも巧みでした。
冒険ファンタジーには欠かせないバトルシーンは、軽快なテンポで進む時もあり、シリアスな展開でハラハラさせる時もあり、満足度が高いです。 何より、ダンジョンの“攻略”ではなく“再生”にフォーカスを当てた本作は、他にない設定で目を引くものがありました。 街やお店、出会った人々などの描写も細かく、没入感のある読み応え抜群の作品です。
真っ先に感じたのはローズマリーのちょっと変わった魅力でした。彼女はとてもいい子なのですが、やられたらやり返す性分であったり一筋縄ではいかないまっすぐさにとても心惹かれました。 “食欲”を第一に考える彼女はそれ以外の欲望が薄く、それでいて“食欲”と自分の決めた意思にはかなり貪欲な様子が目立ちます。そこが、少々天然な性格や孤児院育ちで無知で純真なところと相まって大きなギャップに感じられて、そのギャップが魅力的に感じました。
一番始めに感じたのは「えっ、ここから始まるの!?」でした。今作はすでに継子のシャーロットは主人公のヴィオラに身も心も救われていて絆も出来ています。そこから、実の父親を見限ってヴィオラと共に家を出るという展開に驚かされました。そして、読み進めていくとふたりの信頼関係、なによりヴィオラのシャーロット溺愛っぷりに多幸感を覚えました。ヴィオラをとても魅力的だと思ったのは、その芯の強さややさしさは大前提として、自分のやりたいことと母としての強さ、やるべきことをすべて両立して威風堂々と進んでいくところで、そこが作品全体の質を高めており、楽しく読み進めました。
冒頭から物語の世界に引き込まれ、最後まで一気に楽しませていただきました。場面描写がとてもあざやかで、まるで映画を観ているかのようにイメージが広がっていきます。見知らぬ島でのひと夏のできごとや、きらめく海の美しさ、どこか不思議で心をくすぐる伝説など、わくわくする要素がたっぷり詰まっていて、読後も余韻が残りました。幅広い世代の方に愛される魅力的な物語だと思います。
王宮で「花奏師」として、国を守護する「聖花」に歌を捧げていた主人公。 恋に破れて、飛び込んだ先の酒場で出会ったのは、魔王で――と物語の導入のテンポがとても良いです。 作品固有のキーワードも乙女心をくすぐります。 この物語の世界観やキャラクター達の過去を「もっと知りたい!」と思わせる力がありました。
夫と親友に裏切られ、悲惨な死を繰り返す運命を背負った王太子妃シンディ。6度目の人生でついに復讐を決意し、自らの手で運命を切り開いていく物語です。過去の記憶を武器に、かつての自分を陥れた者たちを鮮やかに追い詰めていく展開は痛快そのもの。常に陰で彼女を支え続ける護衛騎士ヴァルの献身的な姿と、二人の間に芽生える絆も大きな魅力です。単なる復讐譚に留まらず、後半で明かされるループの真相には驚かされることでしょう。読み応えのある逆転劇をぜひお楽しみください。
圧倒的なタイトルのインパクト、それから放たれるライカのキャラの濃さに読む手が止まりませんでした。実はモモが、主人公のライカを振り回すほどのキャラの強さで、モモの濃度が増してからが本番。最終的に一番メインで描かれるのは、ライカとモモのコンビで、この二人の絵面が最高でした。絵にすると、とても映えそうなシチュエーションと展開が盛りだくさんの大変漫画映えする一作でした。
本作は、パーティ追放系の王道をしっかりと踏襲しながらも、タイトルにもある謎のギフト【勇者の友人】の設定が秀逸な作品で、【勇者の友人】の正体が明らかになっていくにつれて、パーティ追放系のスカッと感はもちろん、驚きと興奮から読む手が止まりませんでした。また、主人公の周囲を彩る魅力的なキャラクターたちとそのダイナミックな活躍ぶりはコミックとの相性も良いと考え、選出させていただきました。
バックストーリーが丁寧に描かれており、自然と主人公のことが応援したくなる作品でした! さらに、忍術という個性的な戦闘方法や勧善懲悪の物語性、迫力あるバトル、魅力的なヒロインたちなど、少年ジャンルが好きな読者様を惹きつける魅力的な要素があふれており、ぜひコミックの読者様にもお届けしたいと感じました。
本作は、前世で不遇な人生を送った主人公リオネが、乙女ゲーム世界に転生し、闇落ち令嬢としてではなく自由に生きる姿を描いた作品です。冒頭から最後までテンポの良い展開で読者を惹きつけ、前世の知識を活かして困難に立ち向かう主人公の精神的な強さと成長が魅力的に描かれています。また、呪われた攻略キャラであるロメオを救いたいという明確な目的が物語全体の軸となり、とても読みやすいです。転生やヒーローからの溺愛・執着といった人気要素も盛り込まれている点も魅力です!
タイトルにもあるように、追放系の王道ストーリーラインをポジティブな方向で裏切るアイデアが新鮮で、著者の人間性も垣間見れてとても好印象でした。また、主人公が人格の良さで慕われているだけではなく、ちゃんと四天王として戦闘面でも強いことに驚きと「全盛期と比べると弱くなってしまっているから自信がない」という描写に納得感があり、読者が求めているであろう気持ちよさの部分を作れているのも素晴らしいと思いました。
本作は、元男性が伯爵令嬢として転生し、スローライフを目指してさまざまな発明を行ううちに内政チートとなっていくTS異世界ファンタジー作品です。冒頭、男性との婚約を回避するために自らの顔を焼くという衝撃的な始まりから、物語の世界にぐっと引き込まれます。普段は淡々と仕事をこなす主人公が、「おっぱい」のことになると途端にIQが下がるギャップは非常に面白く、普段男性的な性が見えない巧みな描写も相まって、抑えきれない欲望が漏れ出す演出が魅力的です。コミカルでありながらも完成度の高いキャラクター描写が、本作の魅力です。
序盤から惜しみなく描かれる、可愛い幼女エルフによるド派手な痛快アクションシーンは、漫画の画面にした時に間違いなく映えると確信しました。そして、そんな幼女エルフの「最強の武人としての立ち振る舞い」もキャラクターとしてのギャップが最高で、読んだ人みんなが好きになってしまうこと間違いなしです。本作はタイトルの通り、かつて魔王討伐に人生を捧げたドワーフの拳士が、死後50年を経て幼女エルフに転生を果たします。敵味方問わず、当時のドワーフの生き様を知る者、語り継ぐ者との出会いによるヒューマンドラマも本作品の魅力です! もっと評価されるべき作品ですので、これを機にぜひ多くの人に読んでいただきたいです!
恋人が本当に好きだったのは別の人、でも代役であっても側にいたい…という主人公の切実な想い。 恋愛の残酷さと普遍性を正面から捉え、感情の純度で勝負している印象的な作品でした。 キャラクターの心情を鮮やかに切りとり、余韻を残す作者の文章力を高く評価します。 恋の痛みを静かに味わいたい…そんな方にぜひ読んでいただきたい一作です。
本作は、「異世界転生」「呪い」「チート能力」「龍」といった人気要素を取り入れつつ、冒頭からテンポよく物語に引き込む構成力が光る作品です。「凍土」に閉ざされた辺境の地に「炎」を宿して生まれたという対比の設定だけでもワクワク感を覚え、永久凍土の呪いを打破してくれそうな期待感を抱きます。主人公が困難に直面しながらも炎の力で解決していく姿は王道的でありつつ、聡明なボクっ子ヒロインの存在がアクセントとなって物語に新鮮さを感じる作品です!
冒頭に、揚げ物好きな社畜のオッサンが熱中症と脱水状態でのアルコール摂取から死亡したというオッサンらしい転生(死亡)理由が描かれており、解像度の高い現代オッサンに感情移入しながらどんどん読み進められました! そして身近にある”油”というテーマを身体表現に取り入れたり、バトルに取り入れたりと、ここまで広く料理できていることに感服いたしました。 特に「逆アイスクリームの天ぷら作戦」と知恵を巡らせた戦法や、油に食材を入れた時の異世界人の反応などどれも目新しく、コミカルに描かれていて読者を楽しませることができる、作品として完成度の高い作品でした。 また初めてカラアゲを食べた時のギルドマスターの反応や、エルフが戦闘民族と聞いたときの主人公の反応など、テンポのいいボケツッコミの間にちょっとした小ネタも挟んでくるなど、期せずして笑える要素も多かったです。 揚げ物好きなオッサンが好きなもので成り上がり、人望を得ていく、楽しく応援したくなる作品です。
とある王国の令息として異世界転生した平凡な生活を送っていた主人公が、弟たちとの出会いを機に、確定された暗い未来に立ち向かっていく物語。しかもその暗い未来を創出していくのが自身の弟だったという、手に余り過ぎる状況に、兄が立ち向かっていくお話しです!転生者としての自身の立場と違いを俯瞰しつつながら、状況に対応していくタフなキャラクターに強く共感を持ちました。物語の構成もとても丁寧で、このキャラって…このお話しって…と興味が出る所に、絶妙にエピソードを挟んでくるテクニックが絶妙!数話読むだけで、次の話!次の話!と中毒性が高いエピソードの積み上げのうまさもあります。家族の絆、思いを繋ぎなおしていく主人公の「兄属性」がとても頼もしく、兄がいるならこんな人…と、ニヤニヤしてしまいました。
タイムループを脱するために善行ではなく、悪行を重ねてしまえ!というストーリーが斬新に感じられました。次に何が起きるかが気になり、楽しく読み進めることができました。「悪徳のススメ」というタイトルの伏線回収も見事です。ビアンカという主人公が魅力的であることはもちろん、善性とは?悪徳とは?という点において、考えさせられたのも選出理由の一つです。
主人公アンナが受け身ではなく徹底的に理詰めでツッコミを入れるところが新鮮でした。婚約破棄される悲劇や逆転劇ではなく、非常識な振る舞いを正論で返すコメディ調の掛け合いが痛快で、思わず笑わされます。場の空気や礼儀作法にまで切り込む視点もユニークで、定番の題材ながら新しい面白さを感じ、選出いたしました。
令嬢ものの鉄板とも言える婚約破棄から入りつつ、2章では大胆に読者の予想を裏切ってくる展開に殴られました。 冒頭、ヒロインがヒーローに婚約破棄を告げ、それをヒーローが拒絶する導入部分はいわゆる令嬢作品として楽しめるうえ、その後のミステリ展開は手に汗握る驚きの展開で、読む人を飽きさせない工夫に溢れた作品でした。
休日の朝に風に当たりながら読みたくなるような、丁寧でゆったりとした描写に、ストレスなくどんどん作品の世界観に惹きこまれていきました。 イケメンを拾う作品は多いですが、ヒロインの予想もつかないお転婆な性格に驚かされ、彼女の考えや振る舞いに魅了されました。 ヒロインの傍にいることでヒーローも変わっていき、皇帝陛下と皇太子が本音を言い合えた場面はとてもよかったです。ヒロインを軸に彼女の魅力がどんどん波及して周りに影響を与えている構図に、読んでいるこちらも前向きになれます。 また女性向け作品としてヒーローの男らしさ、抜けたところもありながらも次期公爵として凛と振舞うかわいさとかっこよさのギャップなど、きゅんとする点もしっかり抑えられていました。 ヒロインとヒーロー、どちらもキャラが立っており、さらにロマンチックな場面やスカッとする展開も盛り込まれていて、ドタバタしつつも優しくあたたかい気持ちになる作品です。
騎士×魔物(インキュバス)という、本来ならば結ばれるはずのない二人が惹かれ合っていく人外BLものである本作。魔物でありながら騎士の攻めと恋人関係になってしまい、正体を隠したまま関係を続けることに葛藤する受けの姿には、読んでいてとても胸が締め付けられました。そうしたシリアスな描写だけでなく、ラブコメ的な二人の軽妙なやり取りも読んでいて大変楽しく、キャラクター・カップリングの魅力が十二分に伝わってくる力作でした。また、受けと攻めの華やかなビジュアルや、教会という舞台設定がコミカライズの際に映えそうというのも入選理由の一つです。BL小説として読み応えのある非常にバランスの良い構成だったと思います。
仮面夫婦から始まる溺愛生活という王道ストーリーながら、キャラクター造形が際立っている点が非常に魅力的でした。堅物で不器用なヒーロー・ヴィンフリートと、「女性に好かれるイケメン女子」という現代的なヒロイン・エルネスタの組み合わせは、読者の共感を呼び、応援したくなる気持ちにさせてくれました。また「未来からやってくる娘」の登場というエッジの効いた展開も相まって、凸凹ながらも愛らしい家族の姿が鮮やかに描かれています。お話のテンポ感も良く、どのキャラクターも好感度が高いことから、若年層からの支持を大切にしているGANMA!とのマッチングが非常に高いと感じ、入賞とさせていただきました。
社交界の薔薇、と謳われるヒロインと、稀代の魔法使いであるヒーローの契約結婚ラブコメです。知的でクールなヒロインだが恋愛下手なギャップが可愛くとても魅力的でした。またヒーローも魔法の天才でありながら彼女に対しては、ひたすら甘く執着し愛する姿にキュンとしました。さらに「呪い」という設定が、単なる物語のスパイスにとどまらず、二人の気持ちの変化や物語展開と見事にリンクし盛り上げています。特にクライマックスはコミカルでありながら、切なく甘く心動かされる素敵なシーンでした。ぜひ、ご一読ください。
大雨のパーキングエリアという舞台設定から漂う不穏な空気感が秀逸で、読者を一気に物語へ引き込みます。登場人物の言動や視線に巧みに散りばめられた違和感が緊張感を生み、最後まで「現代の切り裂きジャック」の正体を推測させる推理性が魅力です。 また、読み進めていくうちに、登場人物の想定を良い意味で裏切られ、舌を巻きました。 恐怖とスリルを楽しみながら文学的な深みも感じられるため選出いたしました。
農民から帝の妃に選ばれるというシンデレラストーリーを歩みながらも、不自由な環境に「実家に帰りたい」と嘆き、行動するヒロイン。やりたいことの優先順位がはっきりしていて、苦しい状況でも自分の正しいと思うことを曲げずに生きるヒロインの強さが非常に好ましく、読んでいて応援したくなりましたし、現代を生きる多くの人に支持されるキャラクターだと感じました。また、そんなヒロインを的確に絶望の淵に突き落とす展開が素晴らしく、良い意味で読者の心に負担をかけることができており、自然とキャラクターに感情移入できる魅力的な作品だと思います。
本作は、前世で婚約破棄と死別という痛ましい別れを経験した二人が、今世で再び出会う物語です。誤解とすれ違いから始まる恋模様が、どのように溺愛へと変わっていくのか——読者は期待とともに物語を追わずにはいられません。珍しい両者転生という設定を活かしつつ、二人の関係の変化を読者に期待させることで、ジャンルに新たな可能性を示す作品だと思いました。
番制度と心の声が聞こえるという設定を組み合わせたことがとても斬新な作品でした! 犬猿の仲である近衛騎士・アレッシオに対するレティシアの切ない恋心には胸を締め付けられました。だからこそ、作品が進むにつれアレッシオのレティシアへの重たい愛情が表現されており、読後に温かい気持ちになりました! ぜひコミックでも多くの読者様に作品の魅力を届けたいと思いました。
物怖じしないヒロインの強いキャラクター性と、短編ながらざまぁまでの過程も丁寧に作られており、爽快感のあるストーリーにも大変魅力を受けました。約束を守れない最低な夫にはそれ相応の報いを受けさせるという潔さを感じ、読後のスカッとした気持ちは忘れられません。ぜひコミックでもこの読書体験をお届けしたいと思いました。
裏表のある姉と横暴な婚約者に振り回されてしまう主人公。その中でも希望を捨てない心情描写に切なく光るものがあり、胸が痛くなるほど感情移入しながら読ませて頂きました。 ラストに待ち受ける逆転劇と精巧な仕掛けにもあっと驚かされ、前向きになれる作品です。ぜひ多くの方に読んで頂きたい思いから選定いたしました。
天使のように可愛らしかった少年ジョンが、6年後に頼もしい大人の男性になってヒロインを迎えに来る、その成長とギャップにときめいて選びました…!一途でまっすぐな愛を描いた王道のシンデレラストーリーになっていて、読み心地も最高です!ぜひコミックでも多くの読者様に魅力を届けたいです!
四つ足で駆けたり、二本足で歩いたり、人の言葉も話す猫の妖精、ケット・シーの村に拾われて育った人の子、キリクは、ある日、ウィルダージェスト魔法学校からのスカウトを受ける。
魔法に憧れる気持ちはもちろんある。
だけど、どうして猫……、もといケット・シーに囲まれた理想の生活を捨てられようか。
自分を送り出そうとしていたケット・シー達に対して盛大にごねたキリクは、幼馴染にして乳兄弟でもある、シャムの同行を条件に、ウィルダージェスト魔法学校に行く事を了承した。
これは、とある秘密を抱えた少年、キリクと、彼の幼馴染であるケット・シー、シャムが、ウィルダージェスト魔法学校で新たな生活を送る物語。
この作品はまさにタイトル通りの内容です。魔法学校を舞台に、主人公のキリクが相棒のケット・シー(黒猫)と共に、学校での授業や同級生との交流を通じて、自分の世界を広げて成長していく物語となってます。また、魔法学校の授業内容は、魔法の練習だけでなく、薬の調合や魔法生物との交流など、魔法学校と言えばコレ!といった要素もしっかり押さえているため、満足度の高い作品となっています。さらに、キリクにはある秘密も……? コミカライズでは、この作品の持つポテンシャルを最大限に発揮して、皆様に手に取ってもらえるような魅力的な作品にしますので、楽しみにお待ちください!
婚約者である王太子に婚約破棄された夜。寝室で眠る公爵令嬢キサラ・アーネストの上に、暗殺者がのしかかりナイフを突きつけた。キサラは暗殺者に提案する。
「ねえ、歴史に名を刻むこともない、使い捨ての暗殺者のあなた。これからあなたと私で、この世界をめちゃくちゃにする楽しい復讐計画を実行しませんこと? つまらなければ、私を好きにして、殺していいわ」
不遇な人形だったキサラが、暗殺者を連れて国をめちゃくちゃにしていく復讐劇の顛末。
虐げられてきた悪役令嬢×彼女を殺しに来た暗殺者。利害の一致から始まる関係が魅力的でした。 波乱万丈ながら、どこか穏やかな日々を過ごすふたりはどこへ行きつくのか…。少しずつ変わっていく関係性も必見です! また、情景描写も素晴らしかったです。 特に冒頭のふたりが対面するシーンでは緊迫感とともに美しさすら感じられ、一気に引き込まれてしまいました。
この度は『第13回ネット小説大賞』にご応募いただき誠にありがとうございました。 応募者の皆様、協賛企業の皆様、『小説家になろう』を運営するヒナプロジェクト様、そしてコンテストに関わって頂いたすべての皆様に心より感謝申し上げます。 これからも素敵な作品が、弊コンテストから世に羽ばたいていくことを楽しみにしております。
本コンテストにご参加いただきました編集者の皆様からの様々な声を集めましたので、下記よりご紹介させていただきます。来年も皆様からのたくさんのご応募を心より楽しみにしております。
第13回ネット小説大賞
応募数 25,537作品
受賞数 72作品
ご参加いただきまして、誠にありがとうございました。